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2006年3月 4日 (土)

エッセイって何だ?

 去年だったか、朝刊を開いてみると、丸谷才一の新しい本が出ている。これはすぐ買おうと思った。午後外出したときに本屋に入る。
 どこにあるだろう。平積みしてあるはずはない。そんなにベストセラーになるような本じゃない。エーと、何という題名だったか。丸谷さんの本はどうも題名が凝っていてすぐに覚えられないのが困る。
 店員に
「今日の新聞の広告に出ていたんだけれど、丸谷才一のエッセイ……」
 と尋ねてみる。
 店員の顔が一瞬空白になる。マルヤサイイチ? 丸野菜位置? 
 しかし、エッセイという言葉は聞き取れたと見えて、先に立って歩き出す。連れて行ってくれた本棚には、むやみにけばけばしい表紙の本ばかり並んでいる。和田誠装丁ではない。
 ここで私はハハアと分かったのである。若い女の店員が「エッセイ」という言葉をどう理解しているかが。
 つまり、エッセイというのは「タレントの書いた本」なんですね。たとえば真鍋かをり。いえいえ、真鍋さんの本が悪いと言っているわけではありません。真鍋さんはかわいい。僕は好きです。誤解のないように。同じココログですから、ときどき見ています。トラックバックは付けたことないけど。
 エッセイと言えばまずモンテーニュか。随筆と訳してしまうといくらかニュアンスが違って、たとえば甲子夜話みたいなもの、という理解では古いらしい。
 ところでお前の書いているのはエッセイか? はい、そのつもりでおります。ただ、ほかのおっさんと違うのは説教はしないということ。ほとんどしません。
 藤原正彦氏の「国家の品格」を読んで感心なさるのは結構。でもそれをネタに説教をぶつのはどうか。僕はその本はまだ読んでませんが、藤原先生のほかの本は読んでいるから、たぶん愛嬌と芸があるのだろうと思う。声高に正論を述べるだけでは、売れない。

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コメント

こんにちは。
私もいわゆるエッセイが大好きです。
広くとらえれば評論もその範疇に入るものがありますね。
昔から愛読書としていつも書棚の特等席にいるものには
岩波文庫のモンテーニュや寺田寅彦の数冊があるし、とく
に時代は古いものの寺田のものは物理学者としての資質と
漱石門下の文学者としての資質が程よくミックスされた
淡々としながらどこか理性の輝きが感じられるモノで好きです。
池波正太郎のものなんかも小説はあまり読まないが
エッセイ類は好きとか、エッセイにはその筆者の趣味なども
出て来て楽しめるものが多くてやはり一番よく読むジャンルですね。
特に今日のような寒さも和らぎ春の日差しが差しているような日に
は室内楽など流しながら酒をちびちびやりながらエッセイを何冊か
横に積みながら、あれこれ乱読するのは最高の楽しみ。

投稿: kabumasa | 2006年3月 4日 (土) 14時02分

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「エッセイ」と「随筆」は何が違うのか、多少英語・仏語を知っている人ならば「Essai/Essay」といえば「試論・小論」であって、日本語でいう「エッセイ」ではない。「論」という性質があるので、じゃあ「随筆」ってなによ、とその辺りを調べてみた。  エッセイといって思い出すのはモンテーニュ(Montaigne)の『エセー』。  これが16世紀フランスの文物であるから、これを翻訳するときに『随想録』という訳語を当てた。そして「随筆」ということばを調べていくと、同義語として「漫筆」というものに突... [続きを読む]

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