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2007年6月 2日 (土)

ホームズの木刀術(4)

(ホームズから離れて回り道をしている。そのうち木刀術に戻ります。)

 イギリスでは、1829年にウェリントン公爵が決闘をしたのをきっかけに決闘は廃れてきて、1840年代には行われなくなった。このあたりのことは例の偽メール事件の際に「永田君、決闘しよう」という記事を書いたので、見てください。

 ところが、ドイツでは1935年(昭和10年)くらいまでサーベルによる決闘が行われていたというから凄い。満州事変の勃発が1931年9月18日、ヒトラーの総統就任が1933年1月30日である。
 決闘をしたのはまず軍人である。常時携帯しているのだから、何かもめ事があればサーベルで解決しようということになるのは、まあ自然である。
 大学生も決闘をした。近代ドイツの大学ではVerbindung(フェアビンドゥング)とかKorps(コーア)などと呼ばれる学生組合が独自の発達を遂げた。19世紀初めには自由主義的な政治活動の拠点になったこともあるが、まずビールを飲んで楽しくやるのが主な活動であった。

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 上の絵は1900年ごろの学生組合のコンパのようす。

 学生組合は今でもあるらしい。制服制帽のマールブルグ大学学生組合員。JETRO Deutschlandのサイトから一枚お借りしました。

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 ところが学生組合員同士で「名誉の問題」を生ずる場合がある。これをサーベルを使って解決するのである。決闘用のサーベルは騎兵用そのままではなく、もう少し軽いものらしい。

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 これは、やはり1900年ごろの学生の決闘風景。胴、首、右腕、籠手に防具のようなものを付けているし、戦い方もいくらか儀式化されているようだが、命の危険があることは変わらない。
 こういう決闘は、ヒトラーが政権を取ってナチスが学生組合を解散させるまで続いたというから怖ろしい。
 独和辞典でMensurを引くと、「(学生どうしのフェンシングによる)決闘」という定義があるが、サーベルを使うのはあくまでDuell(英語ならduel、決闘)であって、Mensurというのはまた別なのだという。(続く)

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