ホームズの木刀術(7)
カトラスとは何か? 辞書でcutlassを引くと「短剣」と書いてある。これは間違い。
短剣なら短刀と同じだろうと思ってしまう。短刀は九寸五分がきまりだ。
「由良之助は」
「いまだ参上つかまつりませぬ」
「フウ存生に対面せで残念。ハテ残り多やな。コレコレ御検使。御見届け下さるべし」
と三宝引き寄せ九寸五分押し頂き
「力弥、力弥」
「ハツハツ」
「由良之助は」
「いまだ参上つかまつりませぬ」
「是非に及ばぬ。これまで」と刀逆手に取り直し、弓手に突き立て引廻す。
というような場面で使う。
カトラスcutlassはどういう人が使ったかというと
もちろん、ロング・ジョン・シルバーみたいな海賊だけが使ったわけではない。海軍で使った。英国海軍では1941年まで制式装備だった。
実際に使ったのはもっと前の帆船時代だ。ナポレオン戦争のころには船は木造で装甲なんかなかったが、大砲の威力が小さかったから砲撃で撃沈はできなかった。敵艦に接舷して「切り込み隊」が乗り込んで勝負を付けた。
そういうときに使う剣は何がよいか? レイピアは決闘向きで乱戦で使うにはヤワすぎる。技術も必要だ。サーベルの方がよいが、刃渡り80cm以上もあるのは扱いにくい。馬上で使うには長くなくてはならないけれど。
というわけで、刃渡り60cmくらいの刀を使うようになった。日本でいえば大脇差である。こういう刀で水兵が切り込みをかけた。
このようなカトラスとサーベルの稽古用にシングルスティックが使われた。
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