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2007年6月12日 (火)

ホームズの木刀術(8)

 武器は、ふつうのシングルスティックよりも重くやや短い、大きな籠柄のついた太いトネリコの木刀である。選手は「オールド・ゲームスター」と呼ぶことになっているが、これがなぜかは分からない。試合の目的は相手の頭を割ることである。眉毛より上から1インチでも血が流れれば、流血した方の負けである。血は木刀でごく軽く叩けば出るので、わざと敵の胴や腕を激しく打たない限り、特に苛烈な競技ではない。試合をするには、まず帽子と上着を脱ぎ、木刀を取る。それから左手の指にハンカチか紐を巻いて、これを左脚に結びつける。紐の長さは、肘をなるべく高く頭のあたりまで挙げたときに紐がピンと張るように調節する。これで相手が打ってきてもひるまずに肘を高く上げておれば、左横面は完全に防御できる。右手は前に持ってきて木刀を横にして構え、切っ先が左肘と1インチか2インチ重なるようにすると、頭全体が完全にガードできる。相手の方も同じように構え、3フィートくらい、あるいはもっと近い間合いで相対する。こうして互いに相手の頭をねらってフェイントをかけ、打ち、切り返し、一方が「ホールド」と叫ぶか、血が流れるまで続ける。ホールドの場合は1分間休憩してから再開する。血が出た場合はそれで勝負がついて別の組が呼ばれる。選手が上手だと、すばらしい速さで切り返しが続く。子供が鉄柵にステッキをあてて走るとカタカタカタという、あれをもっと重くした音が響く。至近距離で向き合った男たちが木刀を打ち合わせるさまはまことに壮観である。
Tom Brown's School Days, 1857)

Fig2

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受信: 2007年6月19日 (火) 10時34分

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