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2007年7月11日 (水)

赤毛連盟

Sherlock1

 己が友達のシヤーロツク・ホームズ君を訪ねたのは、去年の秋の或る日のことである。ホームズは客と話し込んでゐた。この客は極く太つた赭ら顔の老紳士で、炎のやうに赤い髪の毛をしてゐる。邪魔をしたと云つて引き返さうとすると、ホームズが突然己の手を引いて室の中へ引き入れ、戸を閉めてしまつた。
「君は丁度好い所に来てくれたのだ、ワトソン」ホームズの口調は親密であつた。
「取り込み中かと思つたが」
「さうだ、実に取り込んでゐるのだ」
「それならば隣の室で待たうか」
「いや、それには及ばぬ。ヰイルソンさん、この紳士は私の朋輩で、加勢して貰つて首尾好く落着した事件も多くあります。あなたの事件でも随分役に立つてくれるでせう」
 太つた紳士は椅子から半ば腰を浮かせて軽く会釈した。そして、周りに脂肪のついた小さい眼で素早く探るやうに己を見たのである。
Red-headed League   Die Liga der Rothaarigen 森林太郎訳?)

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