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2007年8月27日 (月)

明治のシャーロック・ホームズ

 シャーロック・ホームズの日本語への翻訳は、明治27年(1894年)に始まる。確認されている最も古いものは、雑誌『日本人』に連載された「乞食道楽」(「唇のねじれた男」)である。英国『ストランド』誌に『シャーロック・ホームズの冒険』の連載の始まったのが1891年、「唇のねじれた男」は12月号の掲載。『日本人』での連載は1894年1月に始まっているから、原作発表からおよそ2年しか経っていない。当時としてはかなり早い紹介と言えよう。
(北原尚彦『シャーロック・ホームズ万華鏡」p.151)

「かなり早い紹介」なんてものじゃない。ものすごく早い。
 明治27年(1894年)は、4月に朝鮮の東学党の乱が起こり、日清戦争に発展した年である。翌28年4月に下関条約が締結された。
 明治27年には、高山樗牛の『滝口入道』や坪内逍遙の『桐一葉』が出て、北村透谷が27歳で自殺している。28年には樋口一葉が『にごりえ』『たけくらべ』を書いた。
 漱石夏目金之助は、明治26年に26歳で大学を卒業し、高等師範学校に勤めた。1900年(明治33年)から1902年までイギリスに留学した。ロンドンではシャーロック・ホームズと出会っている。(『黄色い下宿人』山田風太郎明治小説全集 (14))
 
 
  しかし、『乞食道楽』はどういう日本語だったのだろう。読んでみたいなあ。

 北原尚彦氏は、大正4年に山本文友堂から刊行された『探偵王 蛇石博士』を入手したという。本邦初の『シャーロック・ホームズの冒険』の完訳なのだそうだ。

Scandal in Bohemia ボヘミア国王の艶禍
シャーロック・ホームズ  蛇石大牟田
ワトソン           和田医学士
フォン・クラム伯爵     凡倉伯爵
アイリーン・アドラー    多羅尾伊梨子

 これも読んでみたい。凡倉伯爵はいいですね。しかしミス・アドラーが多羅尾嬢になるのはどうしてだろうか?
 
 北原尚彦氏は、有名なシャーロキアンでホームズ関係書の収集家である。この『万華鏡』はその蒐書録である。といっても堅苦しいものではない。一番はじめに紹介するのは『英雄色を好む』という一齣漫画集で、古今東西の英雄が四十八手を披露している。ホームズの担当は「乱れひまわり」という体位なのだそうで、どうもあきれたね。
 漫画やアニメ関係が多く、星飛雄馬くらいしか知らない私などには猫に小判である。しかし気軽に神保町などの古本屋に行けるのはうらやましい。これからもしっかり集めて下さい。

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コメント

蛇石博士、読むことができますよ。
TONTOKAIMO39で検索していただければ、私の雑文がでますから、「ホームズと遊ぼう」というのを開いてください。明治のホームズで、「黄色の顔」「不思議の鈴」も載せています。もしよろしかったら…

投稿: TONTOKAIMO39 | 2017年1月17日 (火) 07時31分

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