女王か王妃か(3)
「女王か王妃か」の(1)と(2)を書いたのは昨年の10月だった。書きかけのまま放っておいたが、読んでくれる人はいて、「通りすがり」という人がコメントを寄せてくれた。
このコメントが痛いところを突いているのですね。
私は
「世襲の王」というのだけれど、世襲じゃない、たとえば選挙で選ばれる王なんているか?
と書いたのだけれど、これが間違いだった。
書いたあとで、そう言えば受験勉強で世界史をやったときに「選帝侯」というのがあったな、と思いだしたのだけれど、野暮用で忙しくて放っておいた。
コメントに曰く
選挙王制のあった欧州の国を挙げれば、有名どころでは神聖ローマ帝国があります。
10世紀以降、ドイツ国王の選挙権をもつ聖俗諸侯の選挙により神聖ローマ皇帝(ドイツ国王)が選ばれる、という建前でした(のちにハプスブルク家から代々の皇帝が選ばれるようになります)。
で、いわゆる7選帝侯の1人にボヘミア王が挙げられております。
ボヘミア王は選帝侯による選挙、という制度が固まった14世紀頃には有力な諸侯でしたが、その後王統が移り変わり、15世紀に断絶します。
「正統の王」について書いた箇所も、不適切であった。
正統-非正統をlegitimate-illegitimate としたのが間違い。
形容詞legitimateの第1の意味はOEDによれば、
Of a child: Having the status of one lawfully begotten; entitled to full filial rights. Said also of a parent, and of lineal descent.
であるから、legitimate-illegitimateは、嫡出-非嫡出になってしまう。
なかなか、難しいものですね。
続きは、明日。
ボヘミア王フリードリヒ5世 (1596-1632)
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