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2008年5月26日 (月)

柔道か柔術か(19)

「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン」――ウィキペディアの記述

キャッチ・アズ・キャッチ・キャン(Catch as catch can)はイギリス・ランカシャー地方発祥のレスリングの一種で、フリースタイルレスリングおよびプロレスのルーツ。18世紀~20世紀初頭を中心にウィガンのビリー・ライレージムなどで隆盛した。試合形式は通常リングを使用し時間無制限で行われた。勝敗はタップアウトまたはピンフォールで決まった。キャッチ・レスリング、または単にキャッチ、またはランカシャー・レスリングとも呼ばれる。

技術体系
多彩なテイクダウン(タックルと投げ技の総称)、ブレイクダウン(グラウンドでの攻防におけるポジショニング技術)、サブミッション(関節技と絞め技の総称)、ピン(フォール技)の技術体系を持つ。その多くは現代のプロレス、アマチュアレスリング、総合格闘技やグラップリングの技術にも影響を与えている。
テイクダウンには、タックル、スープレックス(後ろ反り投げ)、サルト(捻りを加えた反り投げ)、スロイダー(相手の腕を前から掴んでの投げ)、ラテラル(相手の胴をクラッチしての蹴手繰り)などがある。
サブミッションには、ハーフネルソン、ハーフハッチ、アームロック、ヒールホールド、ヘッドロックなどがある。
ピンには、体固め、エビ固めなどがある。

語源

語源はCatch Anywhere You CanまたはWho Can Catch Canのランカシャー訛りといわれている。

 残念ながら、この記述はほとんど全部間違っていると私は思う。
 少なくとも、ウィキペディアにいわゆる「独自研究」だろう。
 いや、独自に研究するのはまことに結構なのだけれど、研究の結果は検証できなければいけない。
 たとえば
(キャッチ・アズ・キャッチ・キャンは)18世紀~20世紀初頭を中心にウィガンのビリー・ライレージムなどで隆盛した。
 という。しかし
・18世紀(千七百何年?)にキャッチ・アズ・キャッチ・キャンが「隆盛した」ことは、どういう文献から分かったのですか? 文献を引用しなくてもよい。他の者が文献で確かめる手掛かりだけは残しておくべきでしょう。

 私は、このウィキペディアの記述に対して、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンは
(1)「ランカシア地方発祥」ではない。
(2)フリースタイル・レスリングの「ルーツ」ではない。
(3)18世紀にはまだなかった。
(4)サブミッションはなかった。

 と考えている。以上は消極的な仮説である。キャッチ・アズ・キャッチ・キャンとは何かについて、積極的な仮説もいくつかある。
 ただ、私はこれをあくまで仮説として提出するのである。典拠は示さないけれども、それは単にその暇がないからである。
 仮説は、検証(verify)できるか、少なくとも反証(refute)できなければならない。
 手間さえ厭わなければ検証あるいは反証できるかたちで、柔道/柔術とレスリングの関係について、いくつかの仮説を示したい。(続く)

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