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2009年1月15日 (木)

柔道か柔術か(42)

 イングランドにおけるレスリング略史(4)
 
   ランカシャー・スタイルのレスリングはキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの一種であり、相当程度の自由な動きが許され、近代オリンピックで行われるフリースタイルによく似ている。ランカシャー・スタイルは特に乱暴なレスリングとして知られているが、ルールは首絞めや手足を折ることを明確に禁止している(the rules specifically bar throttling or the breaking of limbs)。
 そのほかには制限はほとんどなく、レスリングは選手が倒れてからも続く。

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 バドミントン・ライブラリー(19世紀末に刊行されたスポーツの本)では、ランカシャー・スタイルのレスリングをこう描写している。

 ランカシャー・レスリングの試合は醜い光景である。狂った雄牛か野獣の闘争のような獰猛な動物的熱情、仲間の荒々しい叫び声、罵り合いがあって、遂にはclog businessが口論やもつれにすべてケリをつける――これは全く凄まじい。

訳者付け足し(1)
clog businessという英語がもう一つよく分からない。これは「レスリング」を指しているのに違いないが、なぜclog businessと言うのか? clogは「木靴」か? とすると、clog businessとは靴で蹴り合うことか? それとも、ふつうのレスリングを何らかの理由でclog businessと呼んでいるのか? 原文は
……,and finally the clog business which settles all disputes and knotty points,…… どなたかご教示ください。
 複数のドイツ語のウェブサイトでもこの部分を引用しているが、英語のままで独訳は付けていない。やはりclog businesの意味がよく分からないらしい。

訳者付け足し(2)
ランカシャー・スタイル=キャッチ・アズ・キャッチ・キャンは

1.柔術のような絞め技と関節技はない(ルールで禁止)。
2.それにもかかわらず、ほかのレスリング(デボンシャー式、カンバーランド・ウェストモーランド式、グレコローマン式など)よりはるかに自由度が大きい。
3. そのため「野蛮なレスリング」と見なされた。

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コメント

ひとつ前に脛を蹴り合うスタイルについて触れられてますが、
その際、「木靴」を履いて蹴り合う
と聞いたことがあります。
痛さの我慢くらべなのでせうか?

投稿: ヒューイ中尉 | 2009年1月21日 (水) 17時07分

なるほど、やはりそうなのでしょうか。蹴り合ったのは確からしいけれど、蹴りがどれほどのウェイトを占めていたのか? 蹴りばかりしていたらレスリングにならないと思うけれど。もう少し調べてみたいですね。

投稿: 三十郎 | 2009年1月21日 (水) 20時01分

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