シャーロック・ホームズの階級(5)
それはともかくとして、19世紀末のボクシングでは
・ウェルター級ができていた。
・しかし、適用されない(ミドル級扱いされる)場合があった。
シャーロック・ホームズは1854年生まれである。ホームズが好んだ運動競技はボクシングとフェンシングだった(『グロリア・スコット』)が、ボクシングでは若いころにはミドル級だったようだ。
ホームズは、自分の身長は6フィートだと言っている(『三人の学生』)。ワトソンはホームズについて
身長は6フィートをやや越えるくらいだが、ひどく痩せているのでずっと背が高いように見える。
と書いている(『緋色の研究』)。
だいたい183cmくらいの身長だった。ひどく痩せているというのだから、体重はまず65kgぐらいだろう。ウェルター級である。しかしホームズが20歳の1874年ごろにはまだウェルター級はできていないから、ミドル級で試合をしたはずだ。ホームズは三日三晩飲まず食わずでも平気だから、その気になればライト級のリミット135ポンド(61.2kg)まで減量することは容易だった。しかし紳士のスポーツでは、そんなことはしない。ホームズは賞金目当てのプライズ・ファイターではない。
このprize-fighterというのが、プロボクサーを指すのに正典で使われている英語である。どういうプライズ・ファイターが登場したか?
サム・マートン、スティーブ、ウィリアムズ、マクマードの4人である。
右から、シャーロック・ホームズ、シルヴィアス伯爵、プライズ・ファイターで伯爵の用心棒のサム・マートン。もちろん『マザリンの宝石』に登場するのだった。
拳骨を突きつけてホームズを脅しているのが、黒人プライズ・ファイターのスティーブ。ものすごい大男のヘビー級だから危ない。ワトソンはいざとなれば火掻き棒で頭をかち割ってやるつもりである。『三破風館』でしたね。
ウィリアムズとマクマードの二人は、もっと初期の冒険に登場するのだった。
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