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2009年2月 9日 (月)

柔道か柔術か(56)

*タニ・ユキオ対英国レスラー(The Odyssey of Yukio Tani)の続き

 何度でもタニに挑戦する者もいた。たとえば、サム・クロフトはロンドンで有名な運動家で、ボクシング、レスリング、重量挙げの経験が豊富であった。彼は英国チャンピオンを名乗っていたアルフ・ヒューイットについて柔術も練習していた。サム・クロフトはミュージックホールで行われるプロの怪力コンテストに参加して、体重は9ストーンという軽量(タニと同じで約57kg)にもかかわらず何度か優勝したことがあった。タニがカンタベリー・バラエティ劇場に出ているのを知って、彼は初めて挑戦した。このときはほかにも二人が挑戦したが、全員3分以内で片付けられてしまった。サム・クロフトは1分半で敗れたのである。そこで数週間後に南ロンドン・ミュージックホールでタニに再挑戦したが、このときは3分40秒もちこたえた。ずいぶん腕が上がったわけだ。三度目にパラゴン・バラエティ劇場で挑戦したときは、6分近く戦い続けることができた。タニはこの週に40人ほどを相手にしていたが、その中ではサム・クロフトが一番長時間戦ったのだ。

*タニ・ユキオ対英国レスラーの典型的な戦いですね。レスラーの側には「関節技がなかった」ことがうかがえるでしょう。40人ほどが全員簡単に片付けられているのだ。
 繰り返して諸君に問いたい。ランカシャーを中心に行われたという「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン」はそんなにすごいレスリングだったのか? 20世紀初めに、ゴッチやロビンソンやビリー・ライリーみたいな、サブミッション技に通暁したレスラーがいたのか? ビリー・ライリーが1940年代初頭に開いた(那嵯氏による)「ウィガンの黒い小屋」(スネーク・ピット)では、サブミッション・レスリングを教えた。しかし、そのサブミッションは、サム・クロフトのような人たちが柔術に挑戦して覚えたのではありませんか?
 ランカシャーはイングランドの北西部にある。スネーク・ピットがあったというウィガンは、ランカシャーの南のグレート・マンチェスター州の小都市である。 

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コメント

言葉遊びをするつもりではありませんが・・・関節技はあったがサブミッション・ホールドではなかった(参ったを取る技術ではなかった)という気もします。相撲でも「参った」が勝敗を決するルールではありませんが、相撲技の中には広義での関節技もあるんじゃないかと思うので。

投稿: タカハシ | 2009年2月11日 (水) 00時09分

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