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2009年2月21日 (土)

柔道か柔術か(59)

 キャッチ・アズ・キャッチ・キャンは「カール・ゴッチやビル・ロビンソンのレスリング」ではありません。(ゴッチもロビンソンも強かったけれど、プロレスラーとして強かったのだ。)
 キャッチ・アズ・キャッチ・キャンとは、要するにフリースタイル・レスリングの別名であります。
 
 これは前から私が力説しているところであるが、まだまだとんでもない憶説が流布されているようだ。レスリングについてちょっと調べれば分かるのに、何の根拠もない思い込みを書く人が多くて困る。
 これまでの記述を読んでもらっただけでも大体分かるはずだけれど、もう一押ししてみますか。
 英連邦アマチュア・レスリング協会のウェブサイトで、「フリースタイル・レスリングの歴史」を見てみましょう。
http://groups.msn.com/CommonwealthWrestling/historyofwrestling2.msnw

Wdietrichkunde5b25d

 このサイトを訳してみます。

 15世紀から21世紀のフリースタイル・レスリング

 国際式フリースタイル・レスリングの歴史はグレコローマンの歴史より複雑である。フリースタイルは特に珍しいスポーツではないので、世界中に同様のレスリングがある。その中でもよく知られているものを挙げれば、北インドとパキスタンのプシュティ、トルコの三種類のペールヴァンラー・グレ(英雄的レスリング)、イランのクシティまたはパーラヴァニ・レスリング、オーストリアのザルツブルグ近辺のラングレン、スイスのシュヴィンゲンなどがあり、インドシナにもいくつかよく似たレスリングがある。しかし、近代オリンピックのフリースタイルはイングランド北西部が起源である。

 ランカシャー・レスリング、すなわちキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(これがフリースタイルの正しい呼び方である)は、ランカシャー中で村祭りの呼び物として、パーリング(脛を蹴り合うスポーツ)と人気を競っていた。
 ランカシャー北部では、バックホールド・レスリングの方が人気があった。キャッチ・アズ・キャッチ・キャンはランカシャーの中部と南部で、イングランド全体で中世からひろく行われた着衣(ジャケット)レスリングから発達したものと思われる。

Halsallchurch5b25d

 ランカシャーのレスリングを表したもの最古のものは、Halsall教会の特免室(ミゼリコルド)にある浮き彫りで、15世紀にさかのぼる。二人の男はいずれもパンツと腰の周りにベルトを締めている。互いに右四つに組んで、右手で相手のベルト、左手で相手の(パンツの)左腿のあたりを掴んでいる。シンクレア氏は『ウィガンの歴史』で、1570年ごろにはレスリングの際に特別のきついジャージーかジャケットを着ることになっていたが、「下層階級はそういうものをあつらえる余裕がなく、ふつうはパンツだけはいて裸でレスリングした』と書いている。

*15世紀のランカシャーのレスリングは、韓国のシルムやモンゴル相撲によく似ていますね。世界各地で類似のレスリングが同時発生したらしい。論点の先取りになるけれども、その中で日本の柔術は、関節技と絞め技の発達という点でユニークであったようだ。

 以下、少しずつ訳して行きます。15世紀から21世紀までのフリースタイル=キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの歴史ですが、「サブミッション技があったが禁止された」なんてことは書いてありませんよ。

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