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2009年4月 7日 (火)

アングルの王者(2)

Catchwrestling

 アングルは米国のプロレスでは20世紀初めから横行していたらしい。
 同じ時代のイギリスはどうか。
 1908年にはロンドン五輪が開かれた。ここでキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの試合が行われた。もちろんアマチュアの試合だ。同じ年にロンドンで、プロのキャッチ・アズ・キャッチ・キャン世界チャンピオン決定戦が行われた。前田光世がレスラーとして参加し、ヘビー級で2位になった。プロとアマは同じキャッチ・アズ・キャッチ・キャン(=フリースタイル)のレスリングをした。(柔道か柔術か68)
 1910年のガマ対ズビスコ戦は、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンのプロの真剣勝負だった。2時間半戦って無勝負だった。(インドのキャッチ・アズ・キャッチ・キャン4)
 このころまでの英国では
(1)キャッチ・アズ・キャッチ・キャン=フリースタイルのルールで
(2)真剣勝負の
プロレスが行われていたらしい。
 観客は地味な寝技の攻防を見て満足していたようだ。夏目漱石は1901年(明治34年)にプロレスを見てあきれ、「西洋の相撲なんて頗る間の抜けたものだよ」と正岡子規宛の手紙に書いている。

 1910年8月8日に、グレート・ガマとアメリカ人レスラーのベンジャミン・ローラーが戦って、ガマが勝ったことは前に書きました。
 そのときの写真が見つかった。上がガマ、下がローラー。ガマが俯せの相手を仰向けにひっくり返そうとしている。アマレスでよくあるシーンだ。ガマの姿がぶれているのはシャッター速度が遅かったからだろう。フラッシュはまだなかったのだろうか。
 この相手には楽勝だったが、対ズビスコ戦では相手も強かったのでうまく行かなかった。リングサイドの観客が熱心に見ているのが分かる。むかしの英国人はよほど物好きだったのだ。

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 Fixed match(勝敗を決めておく試合)も、あるいはあったかも知れない。やろうと思えばできるのだから。しかしアングルはまだなかっただろう。英国のプロレスはそこまで進歩していなかった。「インドの怪人ガマ」「ちっぽけでも強いジャップ谷幸雄」などのキャラクターは試合の興味を大いに増したけれども、それは「仕掛け」ではなかった。本当にインドの怪人でありちっぽけなジャップだったのだから。

 アメリカはどうかというと、エンサイクロペディア・ブリタニカには、
「1913年にフランク・ゴッチが引退するとともに真面目なプロレスは終わり、全くの見世物になってしまった」
 という意味のことが書いてある。
 これは正しいか? (続く)

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コメント

catch as catch canがフリースタイルにも使われていろことは否定しません。
私がおかしいと言うのは「キャッチにはサブミッションがなく、そのため当時のプロレスにもサブミッションがなかった。」というところです。
前田光世は世界中で異種格闘技戦を行ったのは知っていますが、フリーのレスリングまでやっていたというのは初耳ですね。
実際ご自身のブログの(66)にも当時のプロレスの写真がありますが、上の選手が足を相手の前でフックして潰し、脇をさし手首をつかんで下げさせていますがフォールが目的ならこんなことはしません。
明らかにフェイスロックかスリーパーを狙っています。サブミッションが存在した証拠だと思いますがいかがですか?

投稿: レスラー仮面 | 2009年4月 7日 (火) 17時54分

(66)の写真というとどちらでしょうか? 2枚ありますが。
「上の選手が足を相手の前でフックして潰し、脇をさし手首をつかんで下げさせていますが」
というのは、どう見ても2枚のうちの上の方の写真のことを指して言われたのでしょう?
ところが、これにはキャプションを付けてありますよ。
(ロンドン五輪のレスリング試合は屋外で行われた)
→アマレスの試合なのだ。(下の写真がプロレスです。)どういう風に見えてもアマレスにはフェイスロックもスリーパーもありませんよ。
繰り返しになるが、私はこの(66)辺りで、1908年には「アマチュアのフリースタイル」と同じやり方でプロレスが行われたことを証明したのです。
そうではないというのなら、ご自分でサブミッションありのプロレスの試合(但し、同じ時代の英国のもの)を見つけてご覧なさい。

投稿: 三十郎 | 2009年4月 7日 (火) 18時49分

このアングルの王者(2)の白黒写真が、グレート・ガマ対ベンジャミン・ローラーのプロレス試合の写真です。
この試合は「フルネルソン禁止」で行われたことは前に書きました。アームロックのような関節技はもちろん禁止だった。フルネルソンはふつう関節技に含めないが、痛め技として使うのはよろしくないというので禁止したのでしょう。
そういう「サブミッション抜きレスリング」が1910年の英国のプロレスだった、と私は証明したのです。
反証を出してみて下さい。サブミッションありのプロレス試合の記録がどこかにありませんか? 見つけてくれたら感謝しますよ。

投稿: 三十郎 | 2009年4月 7日 (火) 18時55分

いやいや下の写真ですよ。
フォールするためにあの体勢をとることはありえません。逆にフェイスロックやスリーパーにもっていくには理想的ですね。

投稿: レスラー仮面 | 2009年4月 7日 (火) 23時04分

正直に申しますと私は当時のプロレスやインド人レスラーや日本人柔術家にさほど興味はありません。なので私は当時のプロレスに関する新聞なりの文献をどこからか引っ張りだしてくる根気もそのつもりもありませに。私が興味を持つのはキャッチレスリングに対してです。
これだけは覚えておいてください。キャッチレスラーは試合の度にルールを細かく決めました。サブミッションのみで決着をつけるルールやスリーカウントのフォール、一瞬でも背中(肩ではなく)がつけば負けなどのルールがありました。
ゆえに現在のフリースタイルと同じルールであってもcatch as catch canと呼ばれていたことは何も不思議ではありません。

投稿: レスラー仮面 | 2009年4月 7日 (火) 23時27分

横からすみません。

レスラー仮面さんはフォールするために(66)の下の写真の体勢をとることはあり得ないとおっしゃっていますが
アマレスで股裂きを使う場合、近い体勢になることがあると思いますが、いかがでしょうか。
名選手だった佐藤満さんの股さきなんかも近い形から入っていたと記憶しています。

あの写真では柔術で言うバックグラブ(両足フック)なのか、ハーフバックなのか断定出来ないですね。
手首を掴んでいるのかも断定出来ないような。相手がハーフネルソンを嫌って脇を締めている状態にも見えます。
どちらにしても写真では分かりにくいですね。

http://www32.ocn.ne.jp/~wrestling/14ss03.jpg

失礼しました。

投稿: ダックアンダー | 2009年4月 7日 (火) 23時36分

どうも初めまして。 
あの写真では左足は見えませんが差せてなければ少なくとも相手の足の後ろからフックするでしょう。
また足を差して完全に潰した状態からハーフネルソンでひっくり返すのは不可能ですし、股裂きをするのにあんな所に右手を突っ込むのは不自然です。
ですので、やはりスリーパーかフェイスロックを狙っているとするのが妥当かと思います。

投稿: レスラー仮面 | 2009年4月 8日 (水) 00時05分

レスラー仮面さんレス有難うございます。

完全バックグラブであればハーフネルソンでひっくり返すのは不可能ですね。
相手の足を折り曲げた状態でのハーフバックからのハーフネルソンから足がスッポ抜ければ
近い形になりそうではありますが。

失礼しました。

投稿: ダックアンダー | 2009年4月 8日 (水) 00時11分

すいません、相手の足を折り曲げた状態というのはどのような状態でしょうか?

投稿: レスラー仮面 | 2009年4月 8日 (水) 00時26分

レスラー仮面さん。あなたの言うことは全く分からん。
「当時のプロレスやインド人レスラーや日本人柔術家にさほど興味はありません。……私が興味を持つのはキャッチレスリングに対してです」??
それじゃ聞くけれど、キャッチレスリングはプロではないのか? キャッチレスラーというのはプロレスラーじゃないのか? アマレスラーだったのか? 
私は「当時の英国のキャッチレスラー=プロレスラー」であって、彼らがどういう風に試合したかを、1908年、1910年の試合の例を挙げて示したのですよ。
プロレスラーではないキャッチレスラーはアマチュアか? アマチュアではなければどういう身分か?
それは誰々ですか? 名前は? 何年何月何日にどこでどういう試合をしたか? 
「キャッチレスラーは試合の度にルールを細かく決めました。サブミッションのみで決着をつけるルールやスリーカウントのフォール、一瞬でも背中(肩ではなく)がつけば負けなどのルールがありました。」と言われるが、これはどこに書いてあったの? あなたの思い込みでなく客観的事実だという証拠はどこにあるか? 証拠を一つでもあげてみてちょうだい。妄想は困るよ。

投稿: 三十郎 | 2009年4月 8日 (水) 01時36分

全く没論理だ。前のコメント「catch as catch canがフリースタイルにも使われていろことは否定しません。」→そうじゃないの。私の言いたいのはキャッチ・アズ・キャッチ・キャン=フリースタイル」だったというのです。「にも使われている」のじゃないの。このことは当時の英語の用法で証明したはず。論点をずらしては困るよ。
新しい方のコメント。「ゆえに現在のフリースタイルと同じルールであってもcatch as catch canと呼ばれていたことは何も不思議ではありません。」→何で「ゆえに」か? 少しも理由になってないじゃないの。
「フリースタイルのルールと同じであってもcatch as catch canと呼ばれていた」→もう一度聞くが、それはプロか、アマか?
まさかアマとは言わないだろうな? ロンドン五輪のようなアマレス大会で八百長をやったら大問題だ。それならプロか? 私が苦労してプロレス=キャッチ・アズ・キャッチ・キャン=キャッチレスリングの例を見つけているのに、どうして「興味がない}なんて言えるの?
アマでもない、プロでもないキャッチレスリング? それは何か?
重ねて問いたい。何という名前のレスラーが、何年何月何日に、どこでそういうレスリングの試合をしたか? それを文章で記録したものはどこにあるか? あなたの頭の中以外に?

投稿: 三十郎 | 2009年4月 8日 (水) 01時48分

上のコメント「八百長」に関する部分は取り消します。「細かく取り決めた」とあなたの言うのは「ルールを取り決めた」のであって、勝敗を取り決めたのではないらしいですね。
それにしても、それはプロか? アマか? アマレスは一々ルールを決めなくてもレスリング連盟規則があった。それならプロか?
私は「プロレスラー=キャッチレスラー」だったと言っているのだ。そのことはちゃんと書いたはず。読んでくれないで物を言っては困る。それとも読んだのに知らんぷり? 
プロレスラー(=キャッチレスラー)が一々事前にルールを決めた試合は、いつどこで誰がやったの? その記録はどこだ?
あなたがインド人レスラーや柔術家に興味がない? それは勝手だけど、私はガマやレスラーとしての前田光世が代表的なプロレスラー=キャッチレスラーだったから取り上げたのです。
インド人や日本人でなくてもよい。英国人のキャッチレスラー(プロかアマか?)が、事前に詳しく取り決めして試合をした例はどこだ? 出してみて下さい。
曖昧な写真の印象では困るよ。当時のレスリングは試合経過が詳しく文章で書いてあった。何分何秒にたとえばアームロックでどちらが勝ったなんてというような記事が、もしあなたが正しければあるはずだというのです。
これだけ詳しく書いたら分かるでしょう。

投稿: 三十郎 | 2009年4月 8日 (水) 02時18分

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