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2009年4月15日 (水)

間違いの伝言ゲーム

 英国におけるブジツ(武術)に一つ間違いがあった。写真のキックをしている男を私は谷であると書いたが、上西貞一の間違い。那嵯涼介氏の指摘による。感謝する。
 もう一つ、間違いを自白しておこう。
 私は柔道か柔術か(13)で

ところが誰もが尻込みして戦おうとしない。ようやく元全英チャンピオンのトム・キャノンがマットに上がったが、一分もたたないうちに投げ技をかけられ、マットの外の石の床に落ち、びっくりして参ったと言った。

 と書いた。これが間違い。投げ飛ばされたのはトム・キャノンではない。原文
……but none of these big guns could be persuaded to have a bout with Tani. A wrestler called Collins did go to the mat however and within a minute he was thrown heavily, falling outside the mat and on the stone floor.
 正解は「コリンズというレスラー」でした。訳さないで自分で語り直したのでうっかりした。
 この間違いは、自分で気がついたけれども、こっそり直すのも卑怯だと思った。
http://ejmas.com/jalt/jaltart_Noble_1000.htm
 を参考にして書いています、と明記してあるのだから、具眼の士が見つけてくれかも知れない。そのとき「お詫びして訂正します」でよろしい。

 ところが驚くなかれ、私の間違った記述を那嵯涼介氏が少し変えて引用しているのだ。GスピリッツVOL09の054頁下段

そして今度はイギリスのCACCのトップレスラー、トム・キャノン、アントニオ・ピエリ、ジャック・カーキーを道場に連れて行って谷と立ち会わせようとしたが、誰も谷と戦おうとしない。やっとキャノンが重い腰を上げたが、1分も経たないうちに谷に投げ飛ばされてしまった。

 ビックリしたけれども、今まで黙っていたの。
 プロレス物の記述は眉唾だと私が言うのはこういうことがあるからだ。古館さんなら「おーっと。出た。間違いの伝言ゲームだ!」というだろう。
 だから、仮説だとか検証だとか、面倒なことを言っているの。

 私の関心は元来シャーロック・ホームズ学にあって、「バリツの起源」から格闘技に来たのだけれども、教養の水準の違いに戸惑っている。
 ホームズ学では「新説」を色々出し、その過程で大先輩の故延原謙氏を含めた人たちに「豆腐の角に頭を…」なんて失礼千万なことも書いたが、正しければ認めてくれるし間違っていれば指摘してくれるだけだ。

It is an impersonal thing -- a thing beyond myself.
とシャーロック・ホームズは言ったことがある。敷衍すれば
「問題は、誰がどうだ――たとえば僕が偉そうだとか――なんてことではない。あくまでも事実が客観的に正しいかどうかだよ」
ということでしょう。

 更なる間違いの伝言ゲームを防ぐために「独自」の間違いを指摘するのはまたの機会に。

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コメント

はじめまして

C・W・ニコルという作家が、たしか自伝のなかで「若いときはプロレスの巡業で英国中をバスでまわってた」
と言っていたように記憶しています
その中にもキャッチという言葉があったような・・・。
軽く思い出したので書き込んでみました。機会がございましたら、お調べになってはいかがかと

投稿: riker | 2009年9月13日 (日) 12時13分

ありがとうございます。しかし、そういう曖昧な証言に一々付き合わなくてもよろしいのです。面倒で放ってありましたが、キャッチに関する妄説を葬るには今まで書いたことを整理し少々付け加えれば十分なのです。

投稿: 三十郎 | 2009年9月13日 (日) 23時26分

そのうち、書きます。

投稿: 三十郎 | 2009年9月13日 (日) 23時27分

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