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2009年8月 5日 (水)

法律用語の英訳(2)

 研究社和英大辞典の間違いをもう一つ。

仲裁 arbitration; mediation; intervention; intercession; peacemaking

調停 mediation; arbitration; intercession; intervention; peacemaking

 仲裁と調停が同じものだと思っているらしい。まったく違うものだ。広辞苑には正しく書いてある。

調停 (1)当事者双方の間に第三者が介入して争いをやめさせること。仲裁。
      (2)〔法〕裁判所その他の公けの機関が中に立って、当事者の互譲により紛争を円満に和解させること。仲裁と異なり、解決案は当事者の承諾をまって効力を生ずる。

仲裁 争いの間に入り、双方を和解させること。仲直りの取持ち。法的には、当事者を直ちに拘束する点が、当事者の承諾をまって拘束する調停と異なる。

 法律用語としては、仲裁=arbitration  調停=mediationです。仲裁が行われるためには、ふつうは仲裁契約が必要だ。

【仲裁契約】一名または数名の仲裁人を選定して私法上の法律関係についての現在または将来の争いの仲裁をさせ、これに服することを目的とする当事者間の契約。また国際紛争を国際裁判に付託すべきことを約する国家間の合意。(広辞苑)

 たとえば契約書に次のような条項を加えておけば、裁判ではなく仲裁を行う事になり、その裁定は裁判所の判決と同様に当事者を拘束する。
「本契約に明示的に定める場合を除き、本契約から生じまたは本契約に関わるすべての紛争、論争および請求は、ニューヨーク市において3人の仲裁人からなる仲裁委員会で仲裁時のアメリカ仲裁協会の商事仲裁規則に準拠して処理決定するものとする。」
 いつだったか、中国企業との契約で、「紛争は北京で仲裁に付す」という条項があったので、「北京でやって公平な裁定が出るはずがない。絶対におやめなさい」と翻訳者の分際を越えて口を出したことがある。クライアントは分かったようでシンガポールでの仲裁に書き換えた。

 調停は、たとえば離婚しようかという夫婦に「お互いに言い分はあるでしょうが、お子さんのこともありますし、ここは一つ……」などとなあなあの解決を勧めることだ。これは当事者双方が納得しなくては拘束力を持たない。

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