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2009年10月21日 (水)

憂国と切腹

 何という映画だったか題名も忘れてしまったが彼が六尺褌姿になって切腹する軍人に扮していた。聞くところによるとこのごろの流行語でいう「モッコリ」に当たる肉体部分をいやが上にも盛り上がらせるために彼は詰物をしたということだった。
 中世の男性の服装の「モッコリ」に当たる部分は「パウチ」というがフックスの風俗史によれば、当時の若者はそこに林檎を入れたりして男性を誇示したということだ。三島もその故智にならったのであろうか。三島の平安朝貴族趣味からいったら凡そ程遠いことで、むしろ私は歌舞伎趣味といいたい。あの浜松屋の強請の場面で、それまで初々しい嫁入り前の娘を思わせていた弁天小僧が矢庭に着物の裾をまくって大胡座をかき太腿の刺青を見せ、序でに股間の「モッコリ」も見せるというのはまさに三島の趣味であり下賤なものである。昔、女芝居というものがあり、私の幼少のころはその人気者が女だてらに弁天小僧を演じていたが、女性なので「モッコリ」に見せるため特別の工夫が必要だったと芸談で読んだことがある。…………

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 わざわざ美青年を撰んで、それに介錯させて自分の首を落とさせているあたりも実に趣味的で性欲的と私は思うのである。彼は何かと天皇と結びつけて自分の死を崇高化しようとしているが私にいわせればこれも性欲の一部である。彼が『仮面の告白』の中で「聖セバスチャンの殉教」の泰西名画を見て異常な性欲の昂まりをみたといっているのは「殉教」の中にマゾヒズムを感じたからであろう。だから彼の天皇の御為にというのは大なる不敬であって考えようによっては天皇を自分の性欲の充足の道具立ての一つに使っているともいえるのである。
(飯沢匡)

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 緒形拳が三島由紀夫に扮したポール・シュレーダー監督のMISHIMAは、アメリカのアマゾンからならば買える。http://www.amazon.com/Mishima-Life-Chapters-Criterion-Collection/dp/B0016AKSOG/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1256053069&sr=8-2
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