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2009年12月31日 (木)

前田光世対ボクサー(2)

80679

第1ラウンド
 前田光世は右自然体に構えた。ブランドンはオーソドックス・スタイルでフットワークを使い左ジャブを出してきた。前田はどうしても寝技に持ち込まねばならない。ブランドンのパンチをかいくぐって諸手刈りに飛び込んだ。
 ブランドンは素早いバックステップで避け、四つん這いになった前田に上からパンチを浴びせようとする。前田は顔を上手に防御する。ブランドンの片足を掴んで倒すが、相手はすぐに立ち上がる。両者はリング中央に戻った。そのまま牽制しあって第1ラウンドは終わった。

第2ラウンド
 ゴングが鳴って、両者とも慎重に相手の様子をうかがった。不用意な動きは負けにつながる。観客席からブランドンへの声援が飛んだ。
 ブランドンは素早い左ジャブを繰り出したが、前田が距離を取っているので届かない。しかし前田としては組まなければ始まらない。間合いを詰めたが、左ジャブを顔に二発受けた。続いてきた鋭い右フックをダッキングで避け、相手の腰に両手を回した。すぐに浮腰で投げる。しかし離れたところに落ちたため、ブランドンは立ち上がって左ジャブを出しつつ右クロスを狙う。二人は左に回りながら互いに様子をうかがった。
 6分が経過した。前田は何としても寝技に持ち込まねばならない。ブランドンの左足に軽く足払いを出したが、これはフェイントだった。顔面にジャブを打ってくる左腕を掴んでテイクダウンした。前田は腕十字に入った。ブランドンはしばらくもがいたが、逃れられるわけがない。すぐにタップした。
 試合時間は13分27秒だった。(1ラウンドが何分だったかなど、もう少し具体的に書いてくれるとよいのだが)

 ボクサーと初めて戦ったこの試合から、前田光世は多くを学んだ。異種格闘技戦を続けるなら、ボクサーのパンチに対応しなければならない。それには自分もある程度の打撃技を身につける必要がある。前田は天神真楊流の当身技を見学したことを思い出し、それを自分流にアレンジすることにした。前田が編み出した方法は、足払いと主に相手の肘への打撃の組み合わせだった。
 以後の長いキャリアを通じて、前田光世はボクサーと戦うときはこの戦法によった。ただ、打撃は決め技ではなかった。相手の注意を逸らして隙を見つけ組技に入るためだった。寝かせてしまえば、絞め技や腕十字や腕絡み、さらには足関節技で極めることはたやすかった。
 前田にはボクサーのパンチをかわすスピードがあった。また打たれ強かった。下の写真は27歳の前田光世である。(p.p.59-60)

Maeda_mituyo

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