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2009年12月10日 (木)

身長について(2)

 西郷隆盛の五尺九寸も二十九貫も目分量に決まっている。

「西郷どんは大きいなあ。六尺あるだろうか?」
「うーむ、六尺はなかろう。九寸かな」
「それくらいだろう」

Pkmzyrjs

 という具合に、崇拝者たちがご本人のいないところでうわさしたのだ。体重も同じでしょう。西郷さんが身長を測ったり体重計に乗ったりはしないと思う。
 グーグルの検索窓に入力すると
 
5尺 9寸 = 1.78787879 メートル
29貫 = 108.75 キログラム

 と出る。だからといって、西郷隆盛が178.8cm、108.75kgはいけません。
 そもそもむかしの人は身長体重をそんなに正確に知る必要はなかったはずだ。四捨五入して「五尺の体」というくらいだ。体重も1貫=3.75kgという大まかな単位を用いた。
 我々は自分の身長をセンチ単位で把握している。これは中学や高校を卒業するまで毎年1度は身体検査があるからだ。
 明治維新後かなり早い時点で、徴兵を視野に入れて学校での身体検査が始まったのだろう。兵士としては身長五尺(151.5cm)は欲しい。明治十三年式村田銃は全長130cm、銃剣をつけると170cm以上になったから、あまり小さい兵隊では困る。しかし徴兵検査をしてみると五尺に足りない男がかなりいたらしい。日露戦争では、徴兵基準を5尺から150cmに引き下げたくらいだ。(日露戦争の主力装備の三十年式歩兵銃は村田銃より短く軽かった。この銃を改良したのが大東亜戦争まで使われた三八銃だ。)

 相撲取は身長体重を正確に計った。栃若時代まで五尺何寸何分、二十何貫という表示だった。これを換算すると若乃花は179cm、栃錦は177cmという具合になる。センチ未満はもちろん四捨五入。

 西郷隆盛については

丈が高くて百八十センチくらゐはあつたといふ。

 といふ具合に書くべきでせう。

 谷幸雄について、英語の資料に「体重は9ストーン」と書いてあったので、これを柔道か柔術か(13)では、57.15kgと換算してしまった。http://sanjuro.cocolog-nifty.com/blog/2008/04/13_5b63.html
 これはよろしくない。辞書によれば「体重のときは1ストーンは通例14ポンド(6.35kg)」だ。日本の貫以上に大まかな単位を用いるのは、だいたいどれくらいかが分かればよろしい、ということでしょう。
 ウィキペディアの「谷幸雄」の項目を書いた人が「身長160cm未満、体重は60kg未満」としたのは賢明だ。

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