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2010年1月 3日 (日)

物価について(2)

 ロナルド・ピアソールの『シャーロック・ホームズの生れた家』の特長は、チャールズ・ドイルの年俸240ポンドが286万円というように、金額が出てくるごとに訳者(小林司氏と島弘之氏)が現在の邦貨ではいくらにあたるかを示してくれていることだ。
 240ポンド=286万円
ならば、むかしのイギリスの1ポンドは現在の日本ではだいたい1万2000円ということになる。
 この換算率が妥当だとすると、コナン・ドイルの生涯だけではなく、シャーロック・ホームズの活躍についても色々なことが分かって便利だ。
 ホームズのもとに持ち込まれる事件は、煎じ詰めればまず「金の問題」に帰着する。

Roylott

『まだらの紐』でロイロット博士の義理の娘たちが結婚するかどうかが大問題だったのは、亡くなったロイロット夫人の遺産の配分が絡んでいたからだ。

「亡くなった夫人の遺言書を見てきたよ。遺産の内容を正確に知るためには、遺言状に関わる投資物件の、現在の評価額を知らなければならない。死亡当時の彼女の年収は千百ポンド近くあったが、いまは農産物の価格が下落したため、七百五十ポンド足らずになってしまっていた。ふたりの娘は、結婚したらそれぞれ年に二百五十ポンドずつもらう権利がある。つまり、娘がひとり結婚しただけでもあの男には相当な痛手だが、ふたりとも結婚してしまったら、それこそわずかな収入しか残らないわけだ。……」(日暮雅通訳)

 「1100ポンド近く」は約1300万円
 750ポンドは約900万円
 250ポンドは約300万円

 となる。これは確かに深刻な問題だ。
 
 チャールズ・ドイルが年俸240ポンドの収入で結婚した1855年ごろと色々な事件が盛んにホームズのもとに持ち込まれるようになった19世紀の終わりごろとでは、物価が変わっているのではないか?
 これについては心配しなくてよろしいようだ。シャーロック・ホームズが1854年に生まれてから1903年に引退するまで、物価は安定していたと考えてよい。専門家の研究がある。

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