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2010年1月13日 (水)

させていただきます(4)

 呉善花さんのところにある日ある会社から電話がかかってきて、「お金(原稿料か講演料らしいが英訳ではsome money)を振り込ませていただきますので、口座番号を教えていただけませんか」と言った。そこまでへりくだるのかと、びっくりしたという。
 韓国ならばこういう場合「お金を振り込んであげます」と言うのだそうだ。
 私がこの会社の振込係であったとしたら、どう言うか?
 韓国式は論外だ。では、ふつうに「振り込みます」でよろしいか? よろしいはずだけれど、それで通したら顧客から苦情が出て私は首になるだろう。やはり「振り込ませていただきます」と言うほかはないのじゃなかろうか。実に変な言い方だけれども、仕方がない。営業用の敬語だ。
 この言い方の英訳は、変な日本語を変な英語に直しておいた。
 
   Once I received a phone call from a certain company.  I was astonished when I heard someone on the line use sasete itadaku and say, "We would like to take the liberty of putting some money into your account.  Will you please tell me your account number?"  They would like to take the liberty!  If they were going to pay me money, surely they were entitled to announce their intention in a more dignified manner. 

(今ならば翻訳の原稿は添付ファイルで来るのだけれど、むかしは宅急便で送って来る習慣だった。だから和文が残っていない。)

 日韓の比較によって日本文化の特質を明らかにするというのが呉善花さんの方法だ。最近の『日本の曖昧力』などでは、日本は大変結構であるということらしいが、そうかなあ?

 韓国式の「振り込んであげます」と日本式の「振り込ませていただきます」では、日本式の方がまだマシかな? しかし英語なら単に「振り込みます」で済むのでは? ドイツ語は? 中国語だったらどうだ? 外国語はよく知らないから困るのだけれども、「威張るか・へりくだるか」「相手とどういう関係に立つか」に余り神経を使わなくて済む言語があれば、そういう言葉を使って暮らしたいような気もする。

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◇◆本日の「特別寄稿」と寄稿者について◆◇ 明日1月15日、「テロとの戦い」を掲げ2001年12月から始まった、海上自衛隊のインド洋での外国艦艇への給油・給水活動が、新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、終了いたします。 本日はこの問題に詳しい、元海上幕僚長「吉田 学」さまが、実名でご投稿下さいました。... [続きを読む]

受信: 2010年1月14日 (木) 20時57分

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