« ワトソンは女だった(2) | トップページ | ワトソンは女だった(4) »

2010年5月14日 (金)

ワトソンは女だった(3)

221bbakerstreet

……私がいつもより少し早めに起きていくと、シャーロック・ホームズはまだ朝食の最中でした。……私の分はまだ食事もコーヒーも準備ができていなかったので……私はちょっと腹を立ててベルを鳴らし、ぶっきらぼうにまだですかと催促しました。テーブルから雑誌を取り上げて時間をつぶそうとしましたが、その間、私の伴侶(my companion)は黙々とトーストを噛んでいました。

 何という恐ろしい光景! これがいかにリアルな描写であるかは、お互い、身にしみて分かりますな。ちょっと文体を変えれば、これはほとんどリング・ラードナーのラブストーリーですよ。シャーロック・ホームズでさえも、他の男と同様に、こういうふうな朝食を取っていたというのは、使徒にとってはなかなか認めるのが辛いところですが、事実には直面しなければならない。ここに引用した一節については、それがワトソンがレディであった、つまり女だった、という確信を強めるのみならず、ホームズが長年にわたって不義の生活を送っていたはずはないという期待を裏打ちしてくれること――これこそが大切であります。男が愛人と朝食をともにしているのならば、「黙々とトーストを噛む」なんてはずがない。もしそんなことをしているのだったら、まもなく新しい愛人をこしらえますね。ところがホームズは彼女に、それとも彼女がホームズにか、ともかくお互いに四半世紀にわたって忠実であった。後年の関係について書いてある箇所をいくつか見てみましょう。

|

« ワトソンは女だった(2) | トップページ | ワトソンは女だった(4) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/21109/34679573

この記事へのトラックバック一覧です: ワトソンは女だった(3):

« ワトソンは女だった(2) | トップページ | ワトソンは女だった(4) »