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2010年5月 2日 (日)

インド独立裏面史(9)

 東インド会社支配下のインドで裁判官だったウィリアム・ジョーンズ(1746-1794)は、インドの古典語サンスクリットを研究して、これがギリシャ語やラテン語と共通の起源を有する可能性があることに気づいた。
 ジョーンズは1786年に"On the Hindus"という論文を発表した。

「サンスクリットは、その古さもさることながら、驚くべき構造をしている。ギリシャ語より完璧であり、ラテン語より豊富であり、そのどちらよりも精巧だが、動詞の起源や文法の様式において、これらの言語と偶然とはとても思えないほどの強い類似性を持っている。実際、その類似性の強さは、どんな言語学者でもその3言語をすべて調べれば、おそらくは既に消滅してしまった共通の祖語から派生したのだと信じずにはいられないくらいである。同様に、ギリシャ語やラテン語ほど顕著ではないが、ゴート語とケルト語も、他の言語との混合も見られるが、サンスクリットと同じ起源を持っていたと思われる。さらに、今日のテーマが古代ペルシャを論じるものであったなら、古代ペルシャ語を同じ仲間のリストに加えてもよかっただろう。」(ウィキペディアより)

 ジョーンズの研究は大反響を呼んだ。ここから印欧語比較言語学が始まり、19世紀に大いに発展した。サンスクリット、ギリシャ語、ラテン語などの古典語だけでなく、インドとヨーロッパの多くの言語が一つの祖先(印欧祖語)から分化してきたらしいことが分かった。ウィキペディアの「インド・ヨーロッパ祖語」を一部引用すれば

 インド・ヨーロッパ祖語とは、インド・ヨーロッパ語族の諸言語の共通の祖先とされる理論上の言語である。
 クルガン仮説によれば6000年前にロシア南部で、アナトリア説によれば9000年前にアナトリア高原で話されていた。
 英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ロシア語・ギリシア語・ペルシア語・サンスクリット・ヒンディー語・ウルドゥー語などの言語はすべてこのインド・ヨーロッパ祖語から派生して成立したとされ、細部はともかく、その存在は定説となっている。

 ここから、印欧祖語を話していた人種がヨーロッパ人と上位カーストのインド人の共通の祖先ではないか――という説が出て、英国のインド支配の正当化に役立った。
  英国人から見て、最上位カーストのバラモン出身のネルーなどは「我々白人の仲間ではないか」という見方もあったらしい。

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