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2010年5月20日 (木)

漢字検定のアホらしさ

Okotobabetsu3

……ところがこの漢字検定ときては、ただのパズルである。実用的意義はまったくない。こんなものができても、美しく端正な日本語の文章を書くために何の役にも立たない。かえって、ヘンテコリンな文章を書いて失笑されるのがオチだろう。
 どういうばかばかしい問題が出るのか、一つ例をごらんに入れよう。
「列車がに出発するところだった。」
 この傍線部分にふりがなをつけよというのである。
 漢文に「方」が出てくれば、前後の文脈によって「マサニ」と訓読するばあいがある。しかし日本語の現代口語文で、「列車がまさに出発するところ」を「方に出発するところ」と書くことはない。言葉にも文字にも使いどころというものがある。これではムチャクチャである。
(p.14)

 高島俊男対漢字検定では勝負にも何にもならない。高島先生にとっては赤子の手をひねるようなものだ。
 文藝春秋2009年4月号が高島俊男先生に『漢字検定のアホらしさ』を書いてもらったのは、「牛刀をもって鶏を割く」じゃないだろうか。アホらしいことぐらい不肖私でも分かるもの。と思ったけれど、そうでもないらしい。
 財団法人日本漢字能力検定協会のホームページを見てみよう。悪は滅びていないのだ。
http://www.kanken.or.jp/frame/h01.html

 漢検には3つのメリットがあるのだそうで、その第一は

2010年度入試において、「漢検」取得を人物評価、能力評価の基準のひとつとしている大学・短期大学は、 全国で461校1015学部・学科あります。(平成21年12月2日当協会発表)
評価内容は学校によって異なりますが、中には一般入試で「漢検」を評価する学校や、理系の学部で評価対象に採用するところもあります。

 まあ中洲産業大学なんかが漢検を入試に使うのは仕方がないか。

『お言葉ですが……別巻3』は、白川静対藤堂明保論争、和辻哲郎の『澁江抽斎』評など、面白いもの満載。
 とりあえず「高島先生の新しい本が出ました」という報告です。

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