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2010年8月19日 (木)

サンボの起源(1)

サンボ   sambo

旧ソ連各地に伝わる各種の民族格技をハルラムピエフ A. A. Kharlampiev が中心になって統一ルールを作った新競技。sambo とは,〈武器〉〈不所持〉〈自己防衛術〉の三つのロシア語を組み合わせた造語。10m2のマット上に敷いた8m2のキャンバスの上で投げ技,固め技(抑え技,関節技)によって勝敗を競う。9階級制で競技時間は6分。レスリング用の短いパンツと柔道着に似たサンボ着,かかとのない靴を着用する。日本では絞め技のない柔道として理解されている。1938年体育スポーツ委員会がサンボという名称をつけて発足させ,翌39年には第1回全ソ連個人選手権大会が開かれた。69年に国際アマチュア・レスリング連盟の正式管理種目となり,国際的にも認知されている。日本には1965年笹原正三が中心となって日本サンボ協会(1972年日本サンボ連盟と改称)が誕生。66年には全日本選手権大会が開催された。67年の第1回国際サンボ選手権大会では,日本はソ連に次ぐ好成績を挙げ,第2回大会でも柔道の高段者が優勝するなどの活躍をしている。⇒レスリング               浅田 修司(c) 1998 Hitachi Digital Heibonsha, All rights reserved.

 平凡社世界大百科事典の1998年版から。サンボの創始者はハルラムピエフではないことはもう分かっていたはずなのに、何に遠慮していたのだろう?

 古賀徹著(ビクトル古賀監修)『サンボ―ユーラシアに生まれた格闘技』は「ユーラシア・ブックレット」の1冊として2006年に刊行された。

(1917年の)十月革命後、アナートリー・アルカデビッチ・ハルラムピエフは、新しい総合的な格闘技の体系の創造を考え、ソビエト国内各地を踏査しながら各種の土着民族格闘技を分類整理し、新しい体系をつくりあげていきました。こうしたハルランピエフの考えに賛同した多くの学者、教師、スポーツ関係者などの積極的な協力により研究が進み、サンボの原案が作成されたのです。…………
 ハルラムピエフの調査が進められていく以前に、彼の師であるワシーリー・オシェプコフが柔道のサークルを指導していたことから、その体系化の中に日本「柔道」が影響を与えたともいわれています。(p.p.12-13)

 ようやくオシェプコフと柔道が出てきた。しかし言葉遣いが微妙である。従来のハルラムピエフ起源説と真実との矛盾を何とかして取り繕おうとしている。
  サンボの起源についておかしな話がまかり通っていたのは、スターリンの時代に何でも「ウリナラ起源説」ならぬ「ロシア起源説」が強力だったためだ。その名残りが2006年になってもまだあったらしい。
 サンボの起源について知りたい人はまず和良コウイチ『ロシアとサンボ』を読め。 

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