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2010年8月10日 (火)

ゲイの社会(1)

 和訳してみて下さい。コナン・ドイル夫妻のウィーン滞在の話です。
 
……The Conan Doyles spent their days ice-skating, sipping coffee on the banks of the Danube, and enjoying "a little of gay  Viennese society."

 まさか「ウィーンのゲイ社会」という日本語が出て来なかったでしょうね。それはとんでもない間違いです。
 当ブログではすこし前にワトソンの資格(8)で同じ話を書いた。

自伝には、ウィーンでは妻と二人で社交とスケートで楽しい4ヶ月を過ごしたと書いてあるが、日記を見ると実際はそうではなかったことが分かる。

In his autobiography Doyle says that he and his wife spent four very pleasant months at Vienna, enjoying some gay society and excellent skating; but the diary tells a different story.

  gayは「ゲイ」「同性愛」とは限らない。辞書を見ると

gay
【1】陽気な,明るい,快活な.現在では【7】の意で用いられることが多く,使用には注意が必要:
……
【7】〈人が〉同性愛(者)の,ホモの,同性愛を支持する;〈場所などが〉同性愛者の集まる.同性愛者間では好んで用いられるが,それ以外では軽蔑的に用いられることがある:

「使用には注意が必要」は老婆心でしょう。今では誰でも知っている。薬が効きすぎたと言ってよいくらいだ。
 コナン・ドイルが奥さんと二人で、アイススケートをしたりドナウの川辺でコーヒーを飲んだりするのはよいとして、「ウィーンの同性愛社会を垣間見たりして」は変でしょう。

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コメント

この「コナン・ドイル伝」の訳者は日本有数のシャーロキアンであり、有名翻訳家ですが、とてもプロとは思えぬ誤訳をしますね。下請けたる「訳出協力者」の訳をチェックしていないのでしょう。

投稿: ころんぽ | 2010年8月10日 (火) 13時04分

やはり下訳ですか。そうでしょうね。出版翻訳の方では悪習がなくなっていないのですね。

投稿: 三十郎 | 2010年8月10日 (火) 13時15分

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