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2010年8月20日 (金)

ピカソ、スターリンの肖像画を描く

Stalinpicasso1953

 1953年、パブロ・ピカソ(1881―1973)は自分をフランス共産党に入党させた友人の詩人ルイ・アラゴン(1897―1982)の頼みでヨシフ・スターリン(1879―1953)の肖像を描いた。さすがによく描けてますね。ところが、この肖像画は大問題になった。スターリンの威厳を損ねているというのだ。戦前の日本の不敬罪騒動よりもひどいくらいの大騒ぎになった。
 それまでスターリンの肖像といえば

Stalin

 アラゴンは自殺未遂をし、フランス共産党書記長モーリス・トレーズが自己批判をしたが、ピカソは平然としていた。
 そのころスターリンの威信がどれくらい高かったかはなかなか分からないだろう。
 ジャーナリストで参議院議員の有田芳生氏は1952年に生まれたが、父親の有田光雄氏が共産党員だったので、ヨシフ・スターリンのような立派な偉い人になるように芳生(よしふ)と名付けられたのだという。
 ピカソのスターリン肖像画の話を私が知ったのは、加藤周一『世界漫遊記』を読んだからだ。毎日新聞社刊の元版で読んだのだが、手元にないので記憶で書くと

 1953年、加藤周一氏はパリに留学していた。あるときフランス人の女性が部屋を訪ねてきて「クロサワの羅生門、見ました」と言って迫ってきた。相手にならないでいると「あなたは医者でしょう。診てください」とソファに横たわった。加藤氏が「あのピカソの描いたスターリンの肖像画は……」と言いかけると、横になったままでは議論はできないので、女性はむっくりと起き上がった。やれやれ危うく逃れたというのだが、据え膳食うのは潔しとしなかったと見える。
 加藤周一氏は一度講演を聴いたことがある。端正な容貌の老紳士だった。若いころはさぞもてただろう。フランス人には三船敏郎と加藤周一の見分けはつかなかったらしい。
 和良コウイチ『ロシアとサンボ』の話に繋げるつもりだったが、それはまた今度。

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コメント

はじめまして。

このピカソの絵は、なかなかいい出来だと思うのですが、やはり批判されたのですね。

「スターリン」や「Stalin」で画像検索してみると、とても色々な画像が出て来て、
どれが本当のスターリンの姿なのかわかりません。
まあ、ソ連という国の性質を考えれば、「改変」は当然のやり方ですが・・・。

ところで、この下の方のスターリンの肖像は、なんとなく
「松平健さん」に似ているような気がするのですが・・・。
スターリンのそっくりさんとしては、「岡田真澄さん」が有名ですよね。

では、失礼いたします。

投稿: さとう | 2012年12月22日 (土) 07時53分

ありがとうございます。ピカソはスターリンの若いころを描いたつもりだったのでしょうが、いけなかったらしい。今の北朝鮮でキム総書記の似顔絵を描くようなものでしょうか。

投稿: 三十郎 | 2012年12月26日 (水) 10時54分

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