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2010年9月 5日 (日)

ブラジリアン物理学

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 1951年(昭和26年)10月23日、リオデジャネイロのマラカナン・スタジアムで、木村政彦(1917-1993)がエリオ・グレイシー(1913-2009)と戦った――これについてはゴン格5月号に詳しい。木村対エリオ戦の動画はhttp://www.youtube.com/watch?v=v2wO3dHUYwQ

 同じ1951年、アメリカの物理学者リチャード・ファインマン(1918-1888)は、リオ大学で10ヶ月間客員教授を務めた。ファインマンは1965年にノーベル物理学賞を朝永振一郎(1908-1979)と同時受賞した人である。ブラジルでの客員教授の話は自伝に出て来る。

 ファインマンは滅法頭がよくて好奇心の強い人で、ポルトガル語をすぐに覚えて学部学生にポルトガル語で講義した。ところがブラジルの学生は全然だめだった。誰一人宿題をやってこない。横着だからではなく出来ないからだった。応用問題は誰一人として解けなかった。ブラジルでは物理学が暗記物になっているのだった。学生が悪いというよりも教育制度が悪かった。
 大学一年生が使う初等物理の教科書をぱらぱらとめくり指の当たった箇所を読んでみると

「「摩擦ルミネセンス」。摩擦ルミネセンスとは、結晶体が潰されたときに発する光である。」

 と書いてあった。こういう定義を意味も分からずに丸暗記すれば試験に合格して物理学をやったことになるのだ。
 アメリカなら、あるいは日本なら「暗いところで氷砂糖や石英などをペンチで潰してみれば、青い光が見えるはずだ……」というふうに書いてあって自分で試してみることができるはずだ。

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 図は「石英・水晶の摩擦ルミネッセンス」http://www.urap.org/_forum/ashi/FreeStudy/lumine/lumine.htm より

 物理学を暗記物にしてしまって平気なのは、ブラジルが西洋ではないということだ。(それともこれは50年以上前のことで今では事情が違うのだろうか?) 
 ブラジリアン柔術の独自の発展は、ブラジル文化のこういう性格と何か関係があるのだろうか?

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島根大学の客員教授である久保田邦親博士らが境界潤滑(機械工学における中心的摩擦モード)の原理をついに解明。名称は炭素結晶の競合モデル/CCSCモデル「通称、ナノダイヤモンド理論」は開発合金Xの高面圧摺動特性を説明できるだけでなく、その他の境界潤滑現象にかかわる広い説明が可能な本質的理論で、更なる機械の高性能化に展望が開かれたとする識者もある。幅広い分野に応用でき今後48Vハイブリッドエンジンのコンパクト化(ピストンピンなど)の開発指針となってゆくことも期待されている。

投稿: 地球環境直球勝負 | 2017年7月27日 (木) 05時18分

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