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2010年11月21日 (日)

小林一佐

 小林という人が軍人になり出世して連隊長クラスになると、昔なら日本陸軍の小林大佐である。ところが現代の日本には軍隊はない。自衛隊であるから、小林一佐になる。

「我と来て遊べや親のない雀」
「痩せ蛙 負けるな一茶これにあり」

 廃人に戦争ができるか。日本には平和憲法があるから、戦争はしないのだ。
 尖閣に中国軍が攻めてきたらどうする? 自衛隊が迎え撃つとしても、戦争ではありません。「有事」です――というのは井上和彦氏の本に書いてあった。
 井上氏が「こんなに強い」というのに、清谷信一氏は「防衛破綻」であるという。しかし本の題名は編集部が売れるようにつけるので、そんなに正反対のことを書いているわけではない。
 井上氏は、自衛隊員の士気は高いという。だからこそイラクへ行って無事に帰ってこれたので、いざとなっても強いはずだ――ということになる。しかし「いざ」というのは戦争じゃないの? 自衛隊は軍隊ではなく、日本は戦争はしないので……
 そのあたりのことは清谷氏の本にも書いてある。
 某国軍が日本に上陸し、自衛隊の戦車が出動するとする。しかし、
「戦闘車両が道路から逸脱すると道路交通法違反になるので、交戦自体ができない(もっとも、戦車などの前後に回転灯を点灯したパトカーがつけば一応野戦も可能だが)。」
(清谷p.p. 37-8)
 やはり、自衛隊は軍隊ではなくて、戦争を想定していないのが……
 これが何とかして(どう?)うまく行くとしても、清谷氏によれば、自衛隊は装備の調達に大問題があるという。「ガラパゴス化」である。(続く)

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コメント

昨今の情勢のせいか、この手の本に注目も集まるんでしょうが、はっきり言ってこの二冊、どっちもどっちの内容でしたよ。
どっちも政治の方が解決すべき多数の問題を自衛隊レベルで矮小化して抽出しているだけの代物でした。所詮軍事は政治の従属物に過ぎないというのに。
で、そんな枝葉の事を取り上げて持ち上げるか貶すか。

どっちも問題提起の第一歩目は正しくとも、その解決法の策定に関して的外れもいい所で、特に防衛破綻の方は文章の余りの頭の悪さに頭が痛くなってきます……防衛破綻という仰々しいタイトルのにするなら、せめてそっち方面に詳しい政治家の何人かに取材ぐらいしてから書けよと。
石破氏? 兵器オタクに軍事を任せてはいけません。
ガラパゴス化? 最近の清谷氏は”正しいガラパゴス化”なる訳の分からん事を言い出してます。

投稿: erinn | 2010年11月22日 (月) 22時51分

>政治の方が解決すべき問題
それはそうでしょう。憲法九条がそもそもの問題だから。しかし、それはそれで別に論ずるとして、入門用にこの切り口もありでしょう。
清谷氏の兵器調達問題批判にはずいぶん反批判がありますね。しかし、私は80年代にFSXが当初の純国産から米国のごり押しで現行版に変更になった経緯をいくらか具体的に知っています。それについては米国の圧力に屈した中曽根など政治家批判を正面からするのは、別の本に任せるということでしょう。もっともそういう批判をしている本は見たことがないが。

投稿: 三十郎 | 2010年11月23日 (火) 07時39分

>清谷氏の兵器調達問題批判にはずいぶん反批判がありますね。

各論(もちろん持論を含む)のメリットデメリットを併記し、それぞれを分析・考察した上で結論を出すのであれば、あそこまで批判されないのですが。
問題提起の視点その物は見る物があるだけにねえ………最近はそれすらも怪しいのですが。

投稿: erinn | 2010年11月23日 (火) 14時03分

市居一居なんて方は呼び辛かったりしますね(笑)
まぁ冗談はさておき、法律云々は映画「宣戦布告」で描かれていましたね。
喧嘩一つまともに出来ない国。(苦笑)

元自衛官(兵卒)としては一度ぐらい「いざ」で出動しないと内部的に
戦えない組織になってしまうんではないかという不安は感じました。

投稿: ジョー | 2010年11月23日 (火) 14時51分

>>80年代にFSXが当初の純国産から米国のごり押しで現行版に変更になった
ごり押しも何もはじめから日本にはそんな技術も予算も時間も人手もありませんでした
F16の改造ですら当初予算の倍に膨れ上がり何年も遅れました
ました純国産なんて無謀もいいところ、はっきりいって不可能です
何しろ戦闘機開発のノウハウを十分にもってる欧米ですら百億ドル≒一兆円以上の開発費と十年以上の時間が必要になってるのに、ノウハウゼロの日本がその六分の一の予算と半分の時間でなんて絶対に無理です
交通法規云々はそもそも自衛隊にというか内閣に包括的行政権が与えられてないのが最大の問題で、一行政部局に過ぎぬ自衛隊云々ははっきりいってどうでもいい

投稿: | 2010年11月23日 (火) 22時17分

>清谷氏によれば、自衛隊は装備の調達に大問題があるという。「ガラパゴス化」である。(続く)

続くのですか?

投稿: erinn | 2011年1月 9日 (日) 13時04分

続くつもりだったけれど、忘れていた。大分前1980年代に防衛装備調達関係の翻訳をやったことがあるのですが、もう知識は古くなっているでしょうね。まあ、そのうちに何か書きます。

投稿: 三十郎 | 2011年1月 9日 (日) 15時39分

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