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2010年12月13日 (月)

キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの迷妄(2)

 しかしアメリカでもやはりこういう話を聞くと「変だな」と思う常識人はいるもので、Histrorical Discussion of Catch Wrestlingというサイトでまともな議論があった。
http://www.bullshido.net/forums/showthread.php?t=79165
 英語を読みたい人は上をどうぞ。なるべく忠実に訳してみる。

引用:キャッチ・アズ・キャッチ・キャンはどのポジションからでもサブミッションをキャッチできるという意味であり、目的は常に苦痛と損傷を与えることである。
これはプロレスリングやブラジリアン柔術よりずっと古いのである。
(訳者注:原文英語は文法的に間違いで筋が通らない。和訳の意味は推定です。)

 上のようにGojuは投稿しているが、私Joeは違うと思う。

 キャッチ・アズ・キャッチ・キャンがサブミッション・レスリングの意味になったのは比較的最近のことである。
 20世紀の初頭から中葉のある時点まで、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンはその他の西洋のレスリングの大部分と同様に、ピンフォールを奪うことに焦点を置いていた。19世紀後半から20世紀初めのレスリングのマニュアルでキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのルールを完全に記述しているものはたくさんあるが、サブミッションに関する規定はなく、チョークは明確に禁止されている。サブミッションを得るために(相手を仰向けに抑えてピンフォールするためではなく)ホールドを使うべしとしている初期キャッチのマニュアルは、まだ一冊も見たことがない。
 そこで私が言いたいのは、「キャッチ」は柔道と交流してから進化し始めたのだということである。キャッチレスラーは日本人が腕絡みをかけるのを見て悟ったのだ。「ああ、あれはダブルリストロックと同じじゃないか。ただ違いは、相手を仰向けに抑えるためにかけるのではなくて、あの柔道家は相手をギブアップさせるために技をかけているのだ」
 初期キャッチの技のいくつかは柔道の関節技によく似ている。違いは技をかける目的であった。これが分かる者が多くなると、キャッチレスラーも「サブミッション・レスラー」へと進化し始めた。不幸なことに、この進化はプロレスリングが八百長になり始めた時期に起きた。フッキングと本物のサブミッション・レスリングは舞台裏に追いやられ、何人かが細々と伝えるに過ぎなかった。
 やがて90年代のブラジリアン柔術ブームがやってきた。これで突然グラウンドの戦いに人気が出て、裏舞台のサブミッション・レスラーの潜在的記憶が前面に出てきた。「フック」のトレーニングをしていた者が声をあげ始めた。現代のグラップリングをベースにして現代版キャッチを再構成しようという者も出てきた。
 単純な真理は、現在キャッチをやる者は100年前とはまったく違うやり方でやっているので、キャッチがサブミッション・グラップリングのオリジナルな形だと考えるのは間違っているということだ。
(訳終り)

 かなりいい線を行っていますね。
 この人は昔のキャッチ・アズ・キャッチ・キャンのルールや技術が書いてある本を持っているらしい。それなら「19世紀後半から20世紀初めのレスリングのマニュアル」のような曖昧な書き方をしてはだめだ。何年発行の何という本かを明示して一部を引用すべきだ。プロレスファンの教養では「歴史の書き方」までは分からないのだろう。仕方がないか。
(しかし、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンのルールに関する上記下線部の記述はいかがですか、那嵯涼介さん? むかしはサブミッションで一本というルールがあった? そういうルールが書いてある本を出してみてください。)

 上の投稿に対する反論が出ている。アド・サンテルは柔道家に勝ったぞなどというものだ。
 もちろん柔道家柔術家がレスラーに負けた例は多い。1904年に前田光世と一緒に渡米した富田常次郎も大男に巴投げをかけようとして潰されている。体力差が大きければ技が通用しないことがあるのは当然で、柔術起源説否定の論拠にはならない。
 あるいは「この写真を見よ。関節技をかけているではないか」という反論もある。そりゃ写真はあるでしょうが……この写真は何年に撮ったもの? 柔術の影響については? キャッチの信者にそんなことを聞いても仕方がない。日米同じだ。

Joestecher_3

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コメント

この写真は関節技は仕掛けていませんよ。

ホールド・固定しているだけです。

投稿: 先生 | 2014年3月25日 (火) 12時17分

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