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2011年2月19日 (土)

投書について(3)

 タイタニック号の沈没(1912年4月14日)をめぐるバーナード・ショーとコナン・ドイルの論争も投書を通じて行われた。
 4万6千トンの豪華客船タイタニック号は、ディカプリオの映画の通りに沈没し、乗客乗員2201人のうち救助されたのは711人だった。スミス船長は船と運命をともにした。
 英国の新聞は沈没の知らせが入ると同時に船長や乗組員や乗客の勇敢な行動を誉め称え始めた。
 沈没事件から1ヶ月たった5月14日に、ジョージ・バーナード・ショーが爆弾を投げ込んだ。デイリー・ニューズ・アンド・リーダー紙に
Some Unmentioned Moralsという題の記事を載せた。ヘスキス・ピアソンのコナン・ドイル伝によれば

……すべての男が――ただし外国人は除く。外国人は女と子供を突き倒して救命ボートに乗り込もうとして、英国人の船員に射殺されるのだ――すべての男が英雄であるが、船長は超英雄でなければならない。優れた船乗りであり、冷静沈着勇敢で死と危険をものともせず、今回の海難が誰の責任でもなく、反対に英国航海術の勝利であることを保証する存在でなければならない。
 そのような男としてスミス船長は誉め称えられた。はじめ彼が船橋で拳銃を自分の頭に撃ち込んだと伝えられ――いや、一等航海士を撃ったのだったか、それとも一等航海士に撃たれたのだったか、いずれにせよ拳銃を撃ってうまく幕を下ろしたと信じられたからである。それまでスミス船長のことなど少しも知らなかった記者共が、ネルソン提督についても書かないような賛辞を船長に呈した。一つはっきり分かっていることは、スミス船長が氷山の漂う海域に最高速度で船を突っ込ませて沈めてしまったことである。彼は罰を受けた。彼に命を預けていた多くの人たちも罰を受けた。もし彼がその人たちと船を無事に向うに渡していたとすれば、誰も彼には注目しなかっただろう。……

Ej_smith  
(スミス船長)

 デイリー・ニューズ・アンド・リーダー紙の5月20日号にコナン・ドイルの投書が載った。

Sir,――I have just been reading the article by Mr. Bernard Shaw upon the loss of the Titanic, which appeard in your issue of May 14th. ……

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コメント

二次情報ではありますが、ニューヨーク・タイムズの記事でGBSの投稿が読めますね。
EXPLOSION OF LYING ABOUT TITANIC -- SHAW; Also He Wonders Why Modern Disasters Cause
"Wild Defiance of Inexorable Fate."
ネット恐るべし。

投稿: ころんぽ | 2011年2月19日 (土) 21時33分

ありがとうございます。早速見ました。偉いものですね。
ヘスキス・ピアソンはかなり長く引用しています。さすがにショーは鋭いと感心するのですが、しかし、ショーはどういう人か知らない読者が多いのではないかと思いますね。マイ・フェア・レディの原作者? しかしあの映画も知らない人が多いか。

投稿: 三十郎 | 2011年2月22日 (火) 22時12分

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