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2011年3月20日 (日)

ボクサー弾を百発(4)

 ワトソンがホームズの拳銃について書いたことは必ずしも正確ではなかった。銃器の専門家は、Boxer cartridgesという英語がよくないと言う。ボクサー式か別の方式かはカートリッジではなくて雷管(primer)について問題になるのであって、そもそもカートリッジは……
 19世紀後半以降の小銃や拳銃のカートリッジには、装薬を起爆させる方式にリムファイア式とセンターファイア式がある。

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 リムファイアは薬莢の縁(rim)に起爆用の火薬(priming powder)をおさめる方式だ。サルーンピストルに使うような22口径か17口径のカートリッジはこのリムファイア方式である。17口径ならば直径4.3mmくらいの小さな弾頭を飛ばして紙の標的に穴を開ければよいのだから、装薬はごく微量で威力は低い。
 軍用拳銃は事情が違う。コルトM1911は45口径(11.4mm)の弾丸を発射する。ベレッタM92は口径9mmである。これらは自動拳銃であるが、ワトソンの使った英国陸軍制式拳銃アダムズ1872マークIIIはリヴォルヴァーだった。口径は45口径だ。人間を撃ち殺すには大きな弾頭を高速で発射しなければならない。高威力の弾はリムファイアでは無理でセンターファイア方式である。

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 センターファイアは、薬莢の底の中央に雷管という起爆装置がはめ込んである。左が拳銃弾、右が散弾で、いずれも雷管がある。引き金を引くと撃針(firing pin)が雷管を叩き小爆発を起こしてこれが装薬を起爆させて弾頭に推進力を与える。左の357マグナム拳銃弾のカートリッジは、中央の雷管に撃針が叩いた跡が残っている。
この雷管にボクサー式とベルダン式がある。Boxer primerとBerdan primerである。

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