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2011年3月23日 (水)

ボクサー弾を百発(5)

 ホームズが使ったのはやかましく言えばcartridges with Boxer primers(ボクサー式雷管付き実包)だ。これをBoxer cartridgesと書くのを専門家は不正確だと言うが、まあ構わないのじゃないだろうか。日本語ではさらに大まかな「ボクサー弾」でよろしいと思う。「ボクサー式弾薬筒」が変だということはすでに述べた。
 ボクサー式とベルダン式の雷管は1860年代に英国人のボクサー大佐と米国人のベルダン氏がそれぞれ発明した。
 

Boxer

Berdan_000

  上がボクサー式、下がベルダン式の雷管。違いはAnvilにある。この単語は辞書には「金床」としか書いてないが、発火金(はっかがね)と訳するのが正しいのだそうだ。ボクサー式では発火金が雷管に内蔵されていて薬莢とは別である。引き金を引くと撃針が雷管を叩きその内部の速燃性の火薬を発火金にあてて爆発させる。その爆風がFlash holeから薬莢内部の装薬に伝わる。ベルダン式では発火金が雷管に含まれず薬莢と一体化している。
 性能はどちらが上ということはない。現代の小銃や拳銃はボクサー式雷管を使うものが多いが、日本の三八式歩兵銃の6.5mm弾、ロシアのAK47の7.62mm弾などはベルダン式である。
 ボクサー式雷管を使ったカートリッジには一つ利点がある。薬莢の再利用ができることだ。ベルダン式雷管では発火金が薬莢と一体化しているので、発射後の薬莢がゆがんでしまい、再利用がむつかしい。ボクサー式ならば雷管を引き抜いて新しいものに換えればよい。ホームズの使った「ボクサー弾」もこうして装薬を詰め替えたものだ。

Vzkhhf

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