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2011年8月25日 (木)

欧米を凌駕している

 日本作家の(ホームズ・パロディにおける)水準が欧米と並ぶ、いや、むしろ凌駕しているのだということを、わからせてくれる作品集なのである。(『シャーロック・ホームズと賢者の石』新書版p.241 日暮雅通氏の解説)

 日暮雅通氏に賛成。楽しませてもらった。私は日暮氏ほど内外のホームズ・パロディを広く読んでいるわけではないけれども、やはり日本の方が水準が高いのじゃないかと思うことがある。最近も英語で「シャーロック・ホームズの失われた物語」というそのものずばりの題の本があったので買ったのだけれど

 これがどうもいけません。第一話がThe Giant Rat of Sumatraである。Matilda Briggsというのは女の名前ではなくて船である。スマトラの大鼠が英国に舶来する。体長1m20cmの大鼠が出現するところは結構だが、あとはヒネリがなさ過ぎる。トニー・レイノルズという著者は才能では五十嵐貴久氏には遠くおよばない。
 しかし、シャーロキアーナ的な間違いというのは、英国人よりも外国人(日本人を含む)に多い。
 たとえば『賢者の石』でも新書版p.204

 ホームズがもう一枚、今度は新聞の切り抜きを取り出してテーブルに載せた。そこにはこう記されていた。
『The Juwes are the men That Will not be blamed for nothing』
「……ユダヤ人は、責められるようなことは何もしていない」
 敬之助がその文章を読んだ。その通り、とホームズがうなずいた。
「ですが英国人なら、少なくとも英語圏で教育を受けて育ったものなら、こんなふうには書きません。文法的に誤っているとは言いませんがね。とはいえ、だいたい最初のThe Juwesから間違っている。この場合、ユダヤ人を表したいわけですから、Jewish、あるいはせめてa Jewとするべきでしょう。……」

 五十嵐版シャーロック・ホームズはどこが間違っているでしょうか?

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コメント

これほどひどい間違いが、平然と活字になっているのですね。驚くばかりです。
(あるいは、訳者が非常に臆病な人なのか、それとも「一味」なのか……)

投稿: 凡人 | 2011年9月12日 (月) 15時17分

確かにひどい間違いです。しかし五十嵐氏は探偵小説作家としては偉い立派な人だと思う。英語の意味を誰かに聞いて、聞かれた人が間違ったのでしょう。

投稿: 三十郎 | 2011年9月12日 (月) 20時10分

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