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2011年10月 9日 (日)

シャーロック・ホームズと100人の賢者(3)

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「で、ドアにこの紙(「赤毛連盟は解散した。1890年10月9日」)の出ているのを見てから、あなたはどうされました?」
「腰を抜かしました。どうしていいか、分かりません。で、とりあえず同じ建物の中にあるほかの事務所を尋ね回りましたが、どこへ行っても何も知っている者はいない。最後に、一階で会計士をしている家主のところへ行って、赤毛連盟はどうなったのかと尋ねましたところ、そんな連盟なんぞ聞いたこともないという返事です。ではダンカン・ロスはと聞きますと、そんな人の名もいま聞くのが初めてだと言います。
『ほら、あの四号室の紳士ですよ』と重ねて申しますと、
『四号室の? ではあの赤毛の人ですね?』
『それです』
『あの人ならウィリアム・モリスというのですよ。あの人は事務弁護士で、新しい事務所が出来上がるまで、一時の間に合わせに私のところを使っていたのです。今日そっちへ引っ越して行きました」

 ところがその「新しい事務所」がキングエドワード街17番地にあると聞いてジェイビズ・ウィルソンさんが行ってみると、そこはaritificial knee capsの製造所であった。「人工膝キャップ」とは何だ? しかし、ウィリアム・モリスもダンカン・ロスもそこの人は知らないと言った。

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ウィリアム・モリス(William Morris, 1834年3月24日 - 1896年10月3日)は、19世紀イギリスの詩人、デザイナー、マルクス主義者。多方面で精力的に活動し、それぞれの分野で大きな業績を挙げた。「モダンデザインの父」と呼ばれる。(ウィキペディア)

「民芸と社会主義だって? しゃらくさい」なんて言葉はthe good old doctorの口からは出なかったはずだ(「しゃらくさい」の英語は?)。しかし彼の趣味とは相容れない。悪者の仮名くらいが相応だ。それはともかく100人目の賢者である。

◇ところで、エリオットとホームズの関係について、『シャーロック・ホームズの愉しみ方』の著者が「自分が初めて指摘した」と主張している――と仄めかしている向きがあるようだ。下司の勘ぐりだ。あるいは「何とか先生が関西支部の会合で発表した方が早い」とか、8月発売の何とかいう本の方が早いなんて言うのもいる。まったく無意味だ。今まで何人の読者がエリオットとホームズを読んできたか? とっくに誰かが指摘しているに決まっているじゃないか。少しは常識で考えてみなさい。諸君の脳みそは豆腐か?
  私がプライオリティを主張できるのは別のことだ。

 

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コメント

"artificial knee-caps"とは
地面に膝を付いて仕事をする人が付ける膝当て(膝パッド)のことらしいですね。
馬の膝に付ける場合もあったらしい。

投稿: ころんぽ | 2011年10月10日 (月) 14時13分

なるほど。ありがとうございます。そう言えば米軍の兵隊なんかも膝当てを付けていますね。

投稿: 三十郎 | 2011年10月10日 (月) 15時55分

クレイはずっと穴掘りをしていたので膝当てが必要だったんでしょう。
あるいはたまたまそこに製造所があっただけなのかもしれません。

投稿: ころんぽ | 2011年10月10日 (月) 22時01分

穴掘りのための膝当て! でも、「道を尋ねたのは彼の顔を見るためだな?」「いや違う」「じゃ何だ?」「ズボンの膝だよ、見たかったのは」 やはり、たまたまでしょう。銀行の近くには菜食主義のレストラン、連盟移転先には膝当て製造所と、irrelevantなものが出て来るところがいいですね。

投稿: 三十郎 | 2011年10月10日 (月) 22時21分

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