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2012年8月 8日 (水)

校閲について

 最近の『コナン・ドイル』を含めて本を三冊出した。校閲にはずいぶんお世話になった。
 まず、差別語の問題がある。
 座頭市に対して「どめくら!」と言うのはいけないこと(言う前にすぱっと斬ってしまうのだ)は知っていたが、「文盲」も使えないとは驚いた。「字が読めない」と説明的に書いておいたが。
「目が不自由な」というのはほかに言いようもないので仕方がないが、ちょっと違うと思う。僕は泳ぐときや喧嘩のときは眼鏡を外さなくてはならないので、本当に自分は目が不自由だなあと感じる。見えない人は不自由どころではないだろう。
 校閲の担当者は一定の方針があってこれを機械的に適用することが多いようだ。
 看護婦→看護師と直してあるから、「ここはかくかくしかじかの理由で看護婦でなくてはなりません」と言うと、編集者は分かってくれる。高島俊男先生や小谷野敦氏を怒らせたのは、よほどバカな編集者だ。
 しかし、著者/訳者というのは間違うものだから、校閲係が事実を調べてくれると助かる。
 今回も

ロシア皇帝が呼びかけて一八九九年に第一回ハーグ万国平和会議が開かれ、ヨーロッパの各地でニコライ二世の呼びかけに応えて軍備制限と国際司法裁判所の設立を進めようという集会が開かれた。ドイルはこの平和会議の趣旨に賛同し、一九九九年一月末にはヒンドヘッドで集会を主催しロシア皇帝の提案を熱心に支持した。

 という一節には、「ハーグ万国平和会議の開催は1899年5月ですが、大丈夫ですか?」と書き込んであった。大丈夫、原著者も訳者も間違っていない。会議は5月に開かれたのだが、提案は前年1898年中に行われていた。(万国平和会議では、ダムダム弾禁止などが決まった。)
「三ヶ月」を、僕は昔からこう書いてきたが、「三カ月」に直してあったのには驚いた。しかし、こういうところで異を立てても仕方がない。「サンケゲツ」と読む人がいるだろうというのは老婆心だと思うが。
 高島先生によれば、「三箇月」の「箇」の竹冠の右が「三ヶ月」の小さいケなのだという。なるほど「符号」なのですね。
 
 

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コメント

失礼します。
「一九九九年一月末」というのはタイプミスでしょうか?

投稿: 事務屋稼業 | 2012年8月13日 (月) 15時50分

タイプミスです。本では赤字で校正して直したのですが。

投稿: 三十郎 | 2012年8月14日 (火) 16時58分

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