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2013年5月14日 (火)

角川版シャーロック・ホームズを読む(2)

シャーロック・ホームズの能力に関する特徴
一、文学の知識:なし
二、哲学の知識:なし
三、天文学の知識:なし
…………
九、通俗文学の知識:桁外れ、今世紀のあらゆる凶悪犯罪に通暁している模様。
(緋色の研究25,26頁)

 九が間違いだということは、原文英語を読まないでも訳文だけで分かるはずだ。
 「文学の知識:なし」で「通俗文学の知識:桁外れ」なんてことはあり得ない。通俗文学も文学に含まれるはずだろう。
 このことは大分前にもう書いた。センセーショナルな文学?(1)(2)(3)
http://sanjuro.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/1-17ff.html

 このときは新潮文庫の延原謙訳を検討したのだった。

Sherlock Holmes -- his limits
1. Knowledge of Literature. -- Nil.
2. Knowledge of Philosophy. -- Nil.
3. Knowledge of Astronomy. -- Nil.
…………
9. Knowledge of Sensational Literature. -- Immense. He appears to know every detail of every horror perpetrated in the century.
…………

シャーロック・ホームズの特異点
一、文学の知識――ゼロ
二、哲学の知識――ゼロ
三、天文学の知識――ゼロ
…………
九、通俗文学の知識――該博。今世紀に起きた恐るべき犯罪はすべて詳細に知っている。

「便利屋」を「メッセンジャー」に直したのは偉いけれど、延原さんが半世紀以上前に間違えたところを、まだ間違えていては「新訳」などと名乗る資格はないだろう。
 角川文庫編集部は、もう一度I田D作先生のお言葉の深い意味をかみしめてもらいたい。
「翻訳はだんだんよくなる法華の太鼓でなくてはならない」

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