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2013年5月11日 (土)

コミッショネア(2)

 コミッショネアが出てくる事件は、もう一つある。
 海軍条約事件である。
 若い外務省職員パーシー・フェルプスが一人残業して海軍条約を筆写している。眠くなってきたので、コーヒーを持ってこさせようとベルを鳴らしてコミッショネアを呼ぶ。コーヒーがなかなか来ないので、下へ降りて行ってみると、コミッショネアは居眠りしていた。揺り起こそうと手を伸ばしかけたときに、頭上のベルが鳴る。

Nava04

 コミッショネアは仰天した。
「あなた様がここにいらっしゃるのに、ベルが鳴るとは。いったい誰でしょうか?」
「ベル? ベルがどうした?」
「お仕事をなさっていたお部屋のベルであります」
 パーシー・フェルプスが海軍条約を置いてきた部屋に入ってベルを鳴らしたのは誰だ?

 このコミッショネアは「小使」でよいと思ったから平凡社新書『シャーロック・ホームズの愉しみ方』にもそう書いておいた。

 校閲は何とも言わなかったけれど、差別用語なのかな? 用務員? 
 僕の知り合いで早稲田の全共闘だった人は、小学校の用務員になった。塾や予備校の教師になるのは多かったけれど、用務員とは、ずいぶん思い切ったことをすると感心したものだ。

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