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2013年9月15日 (日)

コナン・ドイルとアガサ・クリスティ

[1930年、ジョージ・エダルジは54歳になっていた。ドイルの努力のおかげで釈放され、弁護士の仕事を再開することはできていた。彼はロンドンで妹のモードと暮らしていた。ある朝、サー・アーサー・コナン・ドイルが昨日9時15分にサセックスの自宅、ウィンドルシャムで死去したというニュースを読んだ。ジョージは1906年にはじめて会って以来のサー・アーサーとの付き合いを思い出した。サー・アーサーは「ジョージ、私は君が無罪だと思うのではない。無罪だと知っているのだ」と言ってくれた。ジーン・レッキー嬢と結婚したときは披露宴に呼んでくれた。ドイルの自伝『わが思い出と冒険』には、「彼以上に私が誇らしく思ったゲストはいない」と書いてある。ドイルの婦人参政権反対やスピリチュアリズムのキャンペーンにはジョージは賛同することができなかった。}

 サー・アーサーは探偵役の自演も続けていた。三四年前には、女流作家の奇妙な失踪事件があった。クリスティとかいう名前だった。探偵小説の新星だということだったが、ジョージは新星などに興味はなかった。まだシャーロック・ホームズの事件簿が続いていたのだもの。クリスティ女史はバークシャーの自宅から姿を消し、車がギルドフォードから5マイルほど離れたところで発見された。警察が三度にわたって捜索したが彼女を発見することはできなかったので、サリー州の警察副本部長は、サー・アーサーに依頼した(ドイルは当時サリー州副知事だった)。これに続いて起きたことは多くの人々を驚かせた。サー・アーサーは証人たちを尋問したか? 踏み荒らされた地面を改めて調べて足跡を探したか? 捜査に当たった警官どもを問いただしたか? 有名なジョージ・エダルジ事件のときは、こういうことをやって成功をおさめたのだが。しかし、今回はそんなことはしなかった。彼はクリスティ女史の夫を訪ね、夫人の手袋の片方を入手して、これを霊能者に渡した。霊能者はこの手袋を額に宛てて、失踪した女性の行方を探り出そうとした。……ジョージは、アーサーの新奇な捜査方法のことは新聞で読んだ。自分の事件のときは、もう少し正統的な方法が使われたのは、よかったと思った。(ジュリアン・バーンズp.465)

{アガサ・クリスティはもちろん発見された。ドイルの雇った霊能者の手柄であったとは、ジュリアン・バーンズは書いていない。)

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