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2013年11月24日 (日)

下訳について(7)

 下訳を使ったことがはっきり分かっている本がある。たとえば、キングズレー・エイミスの『酒について』。

 これは丸谷才一が原書を見つけて講談社に「これは面白いよ。ただし僕は翻訳しないからね」と推薦したらしい。
 普通の読者はキングズレー・エイミスなんて知らないから、吉行淳之介の名前で売ろうとしたらしい。共訳という形になっているのは、下訳者がある程度地位のある人(どこかの大学の英文学教授)で無視できなかったからだろう。吉行淳之介はたぶん日本語だけ読んで少し手を入れたのだろう。良心的な方である。

 翻訳に限らず、実際の執筆者と著作権表示者が異なる「代作」の例は多い。ウィキペディアの「ゴーストライター」によると
 松本伊代のエッセイや池田大作の『人間革命』は代作だそうだ。伊代ちゃんや池田先生が自分で本を書くとは誰も思わないから、こういうのは罪が軽い。
 
 ひどいのは川端康成である。

 文章読本(伊藤整による代作)
 東京の人(梶山孝之による代作)
 乙女の港、花日記(中里恒子による代作)
  眠れる美女(三島由紀夫による代作?)

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コメント

ははは、懐かしい!ここでこの話題が出るとは。
「伊代の女子大生 まるモテ講座」ですね。
番組内で「まだ読んでいないので中身を知らない」と公言しちゃった。
リアルタイムであのシーンを見ていて笑ったなあ。
矢沢永吉の「成り上がり」も糸井重里が書いたんですよね。
山口百恵の「蒼い時」は残間里江子。
若いころ売れないライターは皆こういう仕事をしていたんですね。

投稿: ころんぽ | 2013年11月24日 (日) 14時14分

知り合いに「伊代ちゃんと一緒にテレビに出演した」という人物がいます。収録が終わると「伊代ちゃんはXXと一緒に消えた」そうです。

投稿: 三十郎 | 2013年11月25日 (月) 10時16分

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