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2014年10月19日 (日)

カムアウトされた話

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「カミングアウトする」という使い方をする人がいるが、変だと思う。―するというサ変動詞は、「活動する」のように語幹(この場合は「活動」)が名詞だから、カミングアウトという動名詞を使うべきだというのだろう。カタカナのカムアウトは、日本語ではカムズアウト、ケイムアウトのように活用することはないのだから、名詞扱いしてもよいだろう。「カムアウトする」というべきだ。  

  むかし、同僚にカムアウトされて閉口した。
「しかし、あんたは美輪明宏みたいな格好はしないじゃないか」
「女装とゲイは無関係なのだ。そんなことも知らないのか。」
(知らなかった。しかし威張ることはないだろう。)
「女装した男にも興味はないよ。本物の女の方がいいに決まっているじゃないか」
 それはそうだろう。なら、どういうのがいいのか? むしろ筋骨隆々の男がいいらしい。当時、僕はウェイトトレーニングに凝っていて、筋骨隆々だった。僕は他人が森永の牛乳を飲むのに反対しないが、自分は明治がいい、と言っておいた。

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あの女の夫(2)

darkが分からなかったのは仕方がない。辞書にちゃんと書いてない。

2.b 〈人・皮膚・目・毛髪など〉色の黒い, 黒褐色の (cf. brunet, blond, fair1 5).・a dark complexion 浅黒い顔色.・dark hair 黒髪.・a dark man (白人について)髪が黒(褐)色で, しばしば肌が浅黒い人.【日英比較】 肌の色を指す場合, 英語では, dark と black は区別する.

 大英和も、肌色と目と髪の毛を込みにしている。髪の毛が黒褐色ならば、しばしば肌が浅黒いとは言えるかもしれないが。
 むかし、DTHというのがよく分からなかった。ハリウッドで男優がスターになれる条件として,DTH(Dark, Tall and Handsome)ということが言われたというのだが。背が高くハンサムは分かるとしても、浅黒いというのはどういうことか? 有色人種のほうがよいというのか?
 これはアメリカ人に尋ねてみた。
 もちろん女は金髪がよろしいですよ。(僕はロシアン・パブには行ったことがない。)
 
 しかし、『風とともに去りぬ』のレット・バトラーが金髪では困るでしょう。やはり、クラーク・ゲーブルのような黒褐色の髪の毛でなくてはヒーローになる資格がない。
(近頃では、ハンサムで背の高い黒人のことをDTHと言うこともあるようです。)
 
そう言えば、007でも、ボンドは黒っぽい髪(のかつら?)で、金髪男は悪者だった。

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2014年10月18日 (土)

英会話不要論

   
 日本人は英語は読めても話せない。それは日本の英語教育に問題があるのではないか――長年指摘されてきたこの問題を解決すべく、文部科学省は2011年以降、小学校5年から英語を必須科目とし、さらに20年までに、小学校3年から英語教育を導入する方針を打ち出した。そんな風潮に対し、英語教育の第一人者が本書で、「英語が話せなくて何が悪い」と異議を唱える。
「帰国子女は英語がペラペラでうらやましいか?」「小学校で英語を教えるとどうなるか」「『読み書きはできるけど話せない聞けない』は本当か?」「センター試験にリスニングが導入された成果は?」などをテーマに、日本人が長く馴染んできた文法・読解中心の英語教育が、いかに外国語の習得に効果的であったかを具体的に指摘していく。(アマゾンの内容紹介)
 文科省の新方針は、日本をフィリピンのような国にしようというフリーメーソン(イルミナティ?)の陰謀だ。
 現行の指導要領でも、中学校では主語、動詞、冠詞などの術語も使えないのだ。文法読解中心の英語教育はすでに崩壊している。読めても話せないのではなく、読めないのだ。幸い、話す必要はない。
 僕が独裁者だったら、英語教育はラテン語式にやらせる。「女王は少女にバラを与える」⇔The queen gives the girl a rose.(Regina puellae rosam dat.) 

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2014年10月17日 (金)

シャーロック・ホームズの気晴らし

 

 まず『シャーロック・ホームズの気晴らし』という題がすばらしい。フランス語ではLes Passe-temps de Sherlock Holmesである。passeーtempsは英語ならpastimesである。

 ワトソンの英語を仏訳したルネ・レウヴァン氏も偉い。訳文は正確なだけではなく、原英文にはなかったであろうフランス風味と文学風味も加わっている。
『煙草王ハーデンの脅迫事件』は、「有名な煙草王、ジョン・ヴィンセント・ハーデンが奇妙な脅迫を受けていたことに関する難事件」として、Solitary Cyclistで言及されている。
 事件が始まる前、221Bの部屋でホームズが取り組んでいるのは、ジェラール・ド・ネルヴァルの縊死事件(1855年1月26日)の謎である。自殺か他殺か? テオフィール・ゴーティエやアレクサンドル・デュマはどういう反応を示したか。
 脅迫事件の犯人はすぐに突き止められたが、この犯人によるさらに恐ろしい犯罪を防ぐためにホームズは何をしたか?
 ホームズは、まず『若きウェルテルの悩み』を精読する。これで、犯人の手口が分かるのである。ウェルテルがちょっと旅行に出るから貸してくれと言ってアルベルトから借りた拳銃は前装式単発であったから、二丁で一組だったはずだ。

 しかし、ホームズは「文学の知識ゼロ」だったはずだ。「カーライル? それは何をした人?」と聞いたのじゃなかったか?
 大丈夫。終幕では
「君はカーライルを知らないと言ったじゃないか」
「あの言葉を信じたのかい?」
 というやりとりがある。やはり猫をかぶっていたのだ。ホームズはカーライルを読んでドイツ文学の研究に向かったのだろう。ウェルテルは原文で読んだのかもしれない。英訳はすでに出ていたが。

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2014年10月16日 (木)

あの女の夫(1)


「コンサートに出演するときを除けば、めったに外出しないが、ひとりだけ、ちょくちょく尋ねて来る男客がいる。色が浅黒く、颯爽とした感じの二枚目で、これが日に一度は必ず顔を見せるし、ときには二度あらわれることもある。名はゴドフリー・ノートン、法曹学院イナー・テンプル所属の弁護士。」(深町真理子訳)

 ゴドフリー・ノートン氏は「色が浅黒い」? オバマさんのような顔の色だろうか? そう言えば大統領は元弁護士だったが。
 原文を見てみよう。

Seldom goes out at other times, except when she sings. Has only one male visitor, but a good deal of him. He is dark, handsome, and dashing, never calls less than once a day, and often twice. He is a Mr. Godfrey Norton, of the Inner Temple.

  深町さんはdarkという英語が分かっていないのだ。困るなあ。こういうときはドイツ語かフランス語の訳を見てみるのがひとつの手だ。独仏語なら、たいてい直訳だから。
She hat nur einen maennrichen Vesucher, den allerdings oft. Er ist dunkelhaarig, stattlich und elegant; Er kommt nie seltener als eimal pro Tag, oft sogar zweimal.(ウムラウト→ae)
 
 ドイツ語ではdunkelhaarigとなっている。再英訳すればdark-hairedだ。
 延原謙氏はどう訳しているか。
「出演のときは別だが、これ以外の時間に出かけることは、ほとんどない。訪ねてくる者としては、男客が一人あるだけ。それもかなりしげしげやってくる。髪も目も黒っぽい、おしゃれな美男子で,日に一度来ない日はないが、どうかすると二度来ることも珍しくない。名前はゴドフリー・ノートンといって、イナー・テンプルにいる男だ。」

 darkは「黒い」よりも「黒っぽい」の方がよろしいだろう。日本人から見れば茶髪でもdarkというのだ。「目も」はどんなものだろう。西洋人には髪は黒っぽくて碧眼の人もいるのじゃなかろうか。
 それにしても「新訳」とは何だ。延原さんがせっかく正しく訳しているのを、直して間違っては困るよ。(「法曹学院イナー・テンプル所属の弁護士」と分かりよく書いたのは偉いけれど。)

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2014年10月12日 (日)

シャーロック・ホームズ 七つの挑戦(2)

(七つの挑戦のうちの一篇『チェス・プレイヤーの謎』の事件では、スコットランドヤードのグレッグソン警部が221Bにやってきて
「サー・マサイアス・グルーヴィが殺害されたのだ」と言う。ホームズは例によってワトソンに自家製索引を取らせて見る。)

「どれどれ、サー・マサイアス・ジョン・チャールズ・ロブソン、グルーヴィ公、ロチェスター伯……」

 殺された人物はグルーヴィ公爵(Duke of Groovy)である。「グルーヴィ公、ロチェスター伯」というのは、公爵が伯爵の位も持っているということである。普通は、公爵を名乗り、伯爵の位は息子に名乗らせたりする。United KingdomのKing(Queen)が、一格下のPrince of Walesの位も同時に持っていて、皇太子(王太子)がPrince of Walesと名乗るのと同じである。ここまではよろしいが、
 
 「サー・マサイアス……」というのが変だ。原文の英語はどうなっているのか。イタリア語からの重訳では困る、ワトソンの書いた英語から直接訳してもらいたいなどと無理なことを言ったのは、このためである。「イタリア屈指のシャーロキアン」であるはずのエンリコ・ソリト氏は、英国の貴族制度のことをまったく知らない。
 
 貴族(公候伯子男の爵位を有する人物)を「サー」と呼ぶことはあり得ない。サーの称号は、シャーロック・ホームズやアーサー・コナン・ドイルのような平民が功績を挙げてナイトの位を与えられたときに名乗るのである。(サー・シャーロック、サー・アーサーと言い、サー・ホームズ、サー・ドイルとは言わない。ドイル卿などとするのは間違い――これについては前に「コナン・ドイル卿?」という記事を書いた。
http://sanjuro.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/1_11f8.html
 ウィンストン・チャーチルは、公爵家の出身であるから一応は貴族であった。しかし、ウィンストンの父ランドルフは三男だったから、爵位はない。したがってウィンストンも厳密に言えば平民である。だからナイトの位をもらって、サー・ウィンストン・チャーチルになったのである。功績から言えば公爵か候爵をもらってもおかしくないのだが、爵位を持つと下院(平民院)の議員にとどまれない(上院に入れられてしまう)から断ったのだろう。
 天野泰明氏の訳者あとがきには
 
ホームズ研究でいういわゆる”整合性”をめぐる問題があると思われた箇所についても、専門家による今後の考究にゆだねるべきであると判断して訳者のいたずらな恣意を加えず、あえてイタリア語版本文のままに訳出したことをご諒解願いたい。

 とある。天野氏の間違いではなく、イタリア語版を作ったソリト氏が悪いのである。

 シャーロック・ホームズ研究の「専門家」としていさかか考究を試みたのが本稿である。

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2014年10月10日 (金)

シャーロック・ホームズ 七つの挑戦

未発表のワトソン博士の手記がイタリアで発見された?!
謎のメッセージを残して殺された男と、消えた少年たちをめぐる「十三番目の扉の冒険」、フィレンツェを舞台に「あの」大作家が巻き込まれた「予定されていた犠牲者の事件」ほか全七篇。
イタリア屈指のシャーロキアンが送る新しいシャーロック・ホームズ譚。待望の初翻訳!(アマゾンの内容紹介)
 
 未公刊のまま眠っていたワトソン博士の手記が、かのイタリアにおいて、しかもどうやら少なからぬ量で発見されたことは、じつに驚くべき、そして喜ぶべき事件なのではないだろうか。しかも、発見者がイタリアにおけるホームズ研究を代表する一人、エンリコ・ソリト(Enrico Solite)氏だったことは、手記の運命にとって、そしてホームズとワトソンの世界を愛するすべての人々にとって、何という幸運だったことだろう。(訳者あとがきより)
 
 天野泰明氏の翻訳により、これらの手記を日本語で読めるのはありがたい。天野氏と国書刊行会のご努力を多としたい。
 ただ、発見されたワトソン博士の手記の原文(もちろん英語)はunavailableであるらしい。国書刊行会版はイタリアで公刊されたイタリア語版の邦訳である。天野氏の邦訳は見事なものであるが、英文をイタリア語に訳したソリト氏の英語力にはいささか疑問がある。
 無い物ねだりをすれば、天野氏と国書刊行会は重訳ではなく、ワトソン博士の書いたオリジナルの英語からの翻訳を出して欲しかった。

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2014年10月 5日 (日)

征韓論?



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