ヒル次官補の風采
アメリカの国務省(つまり外務省)のヒル次官補は、テレビ報道で米鮮交渉が話題になるたびに、わが国の、茶の間での有名人に育ってきたように思います。
が、生まれつき皮下脂肪が厚い日本人のかなしさでしょう、誰もあの異常なルックスを見て、「ピン」とは来ないようですね。
あの顔は、「タフ・ネゴシエーター」の顔じゃないのですよ。
ほんらい、あの顔では、「敵国」「強国」「大国」「重要相手先」との交渉役には、まかりまちがっても選任されない。それが、アメリカ人の間の常識ってもんです。
国務省内に東洋通の有能な人材はいくらでも揃っているのに、あんなタマをわざわざ探し出し、(それも裏方の補佐役としてでなく)表の看板役者として起用したというところに、アメリカ政府の意図的すぎる思惑が示されています。
もちろんそこにこそ、アメリカ/ブッシュ政権が内外に説明したいメッセージがこめられていた。
すなわち、<アメリカは北朝鮮とはまじめな交渉はしないよ>と、最初から表明しているのです。<このレベルの担当者にやらせてますから><この担当者には、何の権限もイニシアチブも独創も許されていませんよ>と、言外に、あえて世界に知らせていたわけです。
(兵頭二十八)
目からウコロとはこのことですね。
兵頭氏の名前は「にそはち」と読む。
兵頭二十八氏は軍学者を名乗っている。「軍学だなんて、山鹿流陣太鼓を叩いて吉良邸に討ち入るのか」と読まずに馬鹿にしていたのは、まことに不明であった。
目からウロコは上の箇所だけではない。まことに創見に満ちた本である。
米軍がフセインをやっつけるためにイラク侵略を始めたときに
「大量破壊兵器があろうとなかろうと、これはぜひ支持して、旗を見せて(show the flag)おかなくてはならない。アメリカには北朝鮮をやっつけてもらわなくてはならないのだから」
という議論があった。大真面目でそういうことを言う人が多かった。
どこが変か? 兵頭二十八氏の本を読んでみて下さい。
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